はい! 奈央です。
今回は、金はなぜ安定なのか?についてです。
イオン化傾向が大きい金属ほど酸化しやすく、小さい金属ほど酸化しにくいのが特徴です。
金属は陽イオンになりやすい性質を持っていますが、そのなかでも金は最もイオン化傾向が小さい金属のため、酸化が起こりにくい、錆びにくい、つまり安定といえます。
K >Ca >Na >Mg >Zn >Fe >Ni >Sn >Pb >(H) >Cu >Hg >Au
この金が錆びにくい理由を原子レベルで解明した研究論文が有名な雑誌に掲載されましたのでご紹介します。
今の内容は、下記のサイトを参考にさせていただきました。
金がさびることのない原子レベルの理由が解明される - GIGAZINE
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金がさびることのない原子レベルの理由が解明される
Role of Reconstruction in the Inertness of Gold toward Oxygen (Phys. Rev. Lett.)
Scientists Found The Atomic Reason That Gold Refuses to Rust (Science Alert)
2026年5月25日
アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズにあるテュレーン大学の計算化学者であるサントゥ・ビスワス氏とマシュー・M・モンテモア氏は、金がさびや変色を引き起こす酸素などの物質と容易に反応しない理由を解明しました。
研究によると、金の表面にある原子の配列は非常に密に詰まったパターンを形成しています。そのため、本来であれば金と相互作用するはずの酸素分子が容易に分解されず、酸化反応を引き起こすことができないというわけです。
このパターンを少し緩めることができれば、金は劇的にさびやすくなるものの、非常に有用な触媒になるそうです。
例えば、一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO2 )に変換するには、「一酸化炭素と結合して二酸化炭素にすることができる反応性の高い遊離酸素原子」が必要となります。
そのため、科学者は金属表面を用いて二酸素分子(O2 )を活性化させ、この酸素分子を反応性の高い2つの酸素原子(O)に分解するそうです。
しかし、酸素活性化触媒として利用されるものの中には反応性が非常に高いものがあり、望ましくない副生成物を生成したり、触媒自体が酸素と強く結合しすぎて時間とともに腐食したりすることがあります。
これに対して、金は非常に不活性で、他の原子や分子と強く反応しないため、非常に望ましい触媒となるわけです。
また、1980年代には「金は酸素触媒に適していないものの、金ナノ粒子は驚くほど効果的に酸素を活性化することができる」ことを科学者が発見しています。
金ナノ粒子のTEM画像
Michelle Starr, Science Alert, 2026.5.22 より
金が酸素に強い耐性を持っているにもかかわらず、そのナノ粒子はなぜ酸化反応を促進できるのかについて、ビスワス氏らの研究チームは「金の表面における原子の配列方法」がその謎のカギを握っていることを解き明かしました。
金ナノ粒子の3Dレンダリング画像
Michelle Starr, Science Alert, 2026.5.22 より
研究チームはコンピューターシミュレーションを用い、酸素分子が原子配置が異なるナノスケールの金表面に接触した際に何が起こるかを検証。研究チームは「表面再構成」の有無で変化が起きるかを調べました。
シミュレーションの結果、表面再構成が起きている場合、相互作用は予想通りに展開しました。
酸素分子は金を用いた実際の状況で観察されているように、2つの酸素原子に分裂することはありません。
一方、表面再構成が起きていない場合、酸素分子が容易に分裂したそうです。
2つの表面(左:正方形、右:六角形)の違い
Michelle Starr, Science Alert, 2026.5.22 より
研究チームによると、金が表面再構成を起こすと、起こす前よりも数十億倍から数兆倍も酸素の解離が難しくなるとのこと。
さらに、金のナノ粒子が効果的に酸素を活性化する理由について、研究チームは「金のナノ粒子は大きな金塊に見られるような密に詰まった表面再構成を十分に形成しないため、より反応性の高い正方形状の領域が露出したままになる可能性があります」と説明しています。
なお、金の塊が表面再構成を起こす理由は、必ずしも酸化を防ぐためではなく、単に金にとって最も安定した構造となるためです。
金の持つ耐食性はその構造の副産物に過ぎないわけです。
研究チームは今回の研究について、「金が酸素に対して非常に不活性である理由についての新たな理解をもたらし、正方形または長方形の構造を持つ表面を作成することで、酸化反応の触媒活性を大幅に向上させることができる可能性を示唆しています。我々の研究結果は表面再構成を最小限に抑えたり、正方形状の構造を安定化させたりすることで、酸素分子の活性化を促進する金系触媒を設計するための新たな戦略を提供するものです」と説明しました。
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金の表面再構成が起きている場合、酸素分子は2つの酸素原子に分裂することはなく、金が酸化されることもない!
しかし、表面再構成が起きにくい金ナノ粒子表面の場合、酸素分子が容易に分裂し酸化されるんですね。
古代から金の価値の要因であった金の安定性については、まだ完全に解っていなかったんですね。
2026年5月の論文だと聞いてびっくりしました。
それでも今後さらに新しい事実が分かってきて、今回の考え方も更新されるかもしれませんね。
新しい事実が次々と古い考え方を置き換えていく!
それじゃあ、またね








