はい! 奈央です。
以前、田油津媛(たぶらつひめ)の事を書きましたが、その際、兄の夏羽(なつは)が香春(かわら)で神功皇后に攻められて焼死したことを書きました。
夏羽とはどんな人物だったのか、かれの事蹟に関する伝承も見いだせずにいますが、田油津媛とともに生き、そして香春の地で亡くなったことは分かっています。
田川夏吉の若宮由緒
由緒より
「神功皇后の暗殺を企てた妹、田油津姫を援けんと軍勢を催してかけつける途中で妹の敗戦を知り逃げ帰って館に立て篭もったところを追って来た皇后の軍勢に焼き殺されました。(岩屋須佐社横の洞窟との説もある)それ以来、夏羽焼ー夏焼と此の村が呼ばれる事になったのです。後に、夏羽の亡霊の祟りを鎮める為に宇佐より八幡宮が勧請されました。」
* * *
正面に大きな金辺川(きべがわ)が流れるこの地は、その水運を利用して、香春三山で産出する金、銀、銅、鉄などの鉱物資源の流通を司るにうってつけの場所だったのでしょう。
一の鳥居をくぐり進みゆくと二の鳥居、その先の階段の向こうに若八幡神社の拝殿が拝めました。
石段を上ると正面に拝殿が軒の両翼を広げ、裏の本殿を隠しています。
拝殿はガラス張りでよく整備されているようですね。
お参りして、拝殿の中に入らせていただきました。
拝殿内部は明るく、床も綺麗に吹き上げられていました。
掲げられていた絵馬は、おそらく、神功皇后と誉田別尊(ほんだわけのみこと /後の応神天皇)、そして忠臣 武内宿禰(たけのうちのすくね)ですね。
若八幡神社に合祀された神様は、夏羽と田油津媛の先祖である神夏磯媛(かみなつそひめ)命でした。
主祭神: 応神天皇、仁徳天皇、神功皇后
合祀神: 神夏磯媛命、小笠原忠真公
この地は、神夏磯媛命や夏羽、田油津媛たち一族の屋敷があった場所なのです。
拝殿の裏手に本殿の甍が見えます。
流造りの本殿には、千木も鰹木も見られません。
本殿の周囲を一周すると、摂社として天満宮や比叡社、稲荷神社がありました。
いずれもよく手入れされた社殿でした。
この広い社域にかつて夏羽の屋敷があったのでしょう。
そしてその屋敷は、攻め手の放つ火矢によって劫火の中に灰燼に帰したのでしょう。
この地の周囲には、夏吉古墳群という数多くの墳墓が分布しているようです。
夏羽たち一族が手厚く葬られたことを望んでやみません。
この地を訪れ、その気に触れる間、もう一ヶ所、訪れるべき場所があることを強く思いました。
それは、先の由緒の中に在った一文「岩屋須佐社横の洞窟との説もある」の現場、岩屋洞窟です。
続きます。















