はーい! 科学オタクのナオでーす。
なんと、昨日のブログで観測史上最も古い恒星エアレンデルのことを書いたのに、ジェームズウェップ宇宙望遠鏡(JWST)が、また記録更新しちゃいました。
「観測史上最古」宇宙誕生からわずか2.9億年後の銀河、JWSTが発見
2024.06.17
「観測史上最古」宇宙誕生からわずか2.9億年後の銀河、JWSTが発見 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
宇宙を誕生させたと考えられている大爆発「ビッグバン」からわずか2億9000万年後に存在していた、観測史上最古で最も遠方にある銀河が、米航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測で発見されました。
JWSTの近赤外線カメラNIRCamが捉えた、現在知られている最遠の銀河「JADES-GS-z14-0」(拡大画像で表示)
Forbes JAPAN 公式サイトよりお借りしました。
この銀河を撮影した最新画像は、大部分が銀河で構成される観測対象領域「ウルトラ・ディープ・フィールド」を捉えたもので、JWSTの驚異的な感度を示しています。
天文学者らは、宇宙の始まりにできる限り近くからの光を捉えようと、永遠の探求を続けています。
その目的は、宇宙で最初に誕生した恒星や銀河(初代星や初代銀河)が、何もないところからどのようにして生まれたかを解明するためなのです。
今回の銀河「JADES-GS-z14-0」は、これまでに観測されたどの天体よりも、この「宇宙の夜明け」の時代に近い宇宙に存在しているのです。
「宇宙の夜明け」とは、ビッグバンから数億年後に初代の銀河が生まれた時代のことです。
この銀河の光は、JWSTに搭載された極めて高感度の近赤外線分光器NIRSpecで赤外線として検出されました。
膨張している宇宙の中を進む光は、引き伸ばされて波長が長くなることで、スペクトルの赤色の方に移動(赤方偏移)します。
赤方偏移
谷口義明(愛媛大学)唐牛宏(国立天文台)の資料
COSMOS Press Release HPよりお借りしました。
JADES-GS-z14-0の波長の伸びの大きさを表す「赤方偏移パラメーターz」の値は14で、これまでに検出された中で最大です。
ドップラー効果による運動学的赤方偏移と青方偏移(ドップラー偏移)
天文学辞典HPよりお借りしました。
JADES-GS-z14-0の顕著な点の一つは、予想よりも大きくて明るいことです。
JADESのチームリーダーの1人、米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのダニエル・アイゼンシュタインは「この銀河の大きさから、その光の大半が多数の若い恒星によって生成されていることが明確に分かる」と指摘しています。
つまり、今回の観測結果は、宇宙のかなり初期の段階で、大型で大質量の銀河が形成されていたことを示唆しているのです。
重大な示唆
JADES-GS-z14-0は、非常に奇妙で疑わしいと見なされたため、JWSTの様々なフィルターを用いて5日間にわたる極めて詳細な観測が実施されました。
つまり、この観測で酸素が検出されたのです。
非常に若い銀河であるにもかかわらずです。
酸素は、恒星の内部で水素やヘリウムの核融合反応が進むのに伴って生成されるため、酸素の存在は、ビッグバン後の最初の2億9000万年が、何世代もの恒星を形成するのに十分な長さだったに違いないことを示しているのです。
JWSTは今後、おそらく宇宙がさらに若かった時代の銀河をより多く発見することが期待されています。
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参考:
プレスリリース - アルマ望遠鏡、132.8億光年かなたの銀河に酸素を発見 ― 酸素の最遠方検出記録をさらに更新 - アルマ望遠鏡 (alma-telescope.jp)
アルマ望遠鏡がとらえた、銀河 MACS1149-JD1 からの酸素の電波スペクトル
銀河 MACS1149-JD1 を出た時は波長88μmの赤外線でしたが、アルマ望遠鏡による観測では波長0.893mm(893μm)の電波として捉えられました。
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ジェームズウェップ宇宙望遠鏡(JWST)
次から次へと記録更新して凄いですね。
このまま続くと、宇宙開闢の時がそのうち明らかになるかもしれませんね。
そうなれば、宇宙の果てや、将来、宇宙はどうなっていくのかということもより具体的に議論されるようになるかもしれませんね。
ワクワク感もあり、怖いと思う気持ちもありますね。
はい! 今回はここまでです。
それじゃあ、またね。