はーい! 科学オタクのナオでーす。
今回は、男性とは違う4つの色を見分けることができる一部の女性特有の特質についてでーす。
ヒトに見られる赤色オプシンの多型
かつて、白人男性50人に対して調査が行われ、赤色オプシンに多型が認められました。
ヒトの場合、赤色オプシン遺伝子はX染色体上に乗っているので、調査した男性の場合は、夕焼けを見てひとによって赤色の感じ方が違うかも知れませんが、依然として3色の色覚です。
一方、女性の場合は、もし2つの対立遺伝子をヘテロに持てば、赤、橙、緑、青の4色の色覚になるのです。
常人の100倍もの色を見分ける「4色型色覚」を持つ女性がいるのはなぜか?
常人の100倍もの色を見分ける「4色型色覚」を持つ女性がいるのはなぜか? - GIGAZINE
2016年01月13日 サイエンス
一般的に人は、100万色を識別しますが、世の中にはその100倍である、1億もの色を識別する「4色型色覚」を持つ人が存在すると考えられています。
一説によると女性の12%が4色型色覚を持っているとも言われています。
なぜ女性だけが4色型色覚を持っているのか?
そして、4色型色覚が現れるのはなぜなのか?
人間は目の中に赤錐体(L錐体)・緑錐体(M錐体)・青錐体(S錐体)という3つの錐体細胞を持っており、それぞれが色を感じ、脳へ「これは何色だよ!」というメッセージを送ることで「色覚」を得ています。一般的に1つの錐体細胞は約100種類の色を識別しており、それを3つ組み合わせることで、人は合計100万色を識別しています。
100 x 100 x 100 = 1,000,000 (100万色)
しかし、研究が進むにつれて「4つの錐体細胞を持っている人がいる可能性」が出てきました。
4つの錐体細胞を持つということは1億以上の色を知覚できるということになります。
100 x 100 x 100 x 100 = 100,000,000 (1億色)
一説によると、この「スーパービジョン」を持つ女性が、女性全体の12%を占めているとのことです。
なぜスーパービジョンを持つのは女性だけなのでしょうか。メス猫はー!!
3つの錐体細胞は、色を感じて脳に信号を送りますが、これを可能にしているのは、錐体細胞に含まれるオプシンと呼ばれる分子が特定範囲の光を吸収しているからです。
オプシンの分子は、各錐体細胞によって異なり、それぞれ得意とする可視スペクトルの波長を感受します。
つまり、4つ目の錐体細胞を持っている人は、現在分かっているオプシンとは違う「別の光の波長を認識できるオプシンを持っている人」と言い換えることができるわけです。
現実にスーパービジョンを持つ女性がいるとすれば、それはDNA配列の変化と遺伝が主な原因です。
オプシンに関する遺伝子に突然変異が起こり、それが実際にオプシンの分子の光の受容方法を変化させた時、
「4つ目の錐体細胞」が発生します。
この時、M錐体とL錐体のオプシンの遺伝子は、X染色体に存在するため、スーパービジョンに関わる遺伝子の突然変異は女性だけに起こります。
もし突然変異が起こったオプシンの遺伝子を母親から受け継いだ男性がいた場合、X染色体を1つしか持たないので、男性は3色型色覚になります。
7番染色体に含まれる通常のS錐体と、X染色体に含まれる通常のL錐体、そして突然変異のM錐体を受け継ぐことで、「認識できる色数は同じだが、見える色が人と異なる」タイプの色覚者になるからです。
しかし、女性の場合はX染色体を2つ持っています。
そのため、X染色体に含まれる通常のM錐体・L錐体の他に、突然変異したM錐体・L錐体を持つ可能性があります。
これが、女性だけが「スーパービジョンを持つ可能性がある」ことの理由です。
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はい! 簡単ですが、今回は以上です。
次回は、番外編で何かを書きたいと思います。
それじゃあ、またね。