はーい! 科学オタクのナオでーす。
今回は、魚の熟成とアミノ酸の関係性について書きますね。
このトピックは、下記のURLを参考にさせていただきました。
魚の熟成の仕組みは?神経締めの効果は?科学的に詳しく解説! | まるサバごはん (marusabagohan.com)
魚の熟成とアミノ酸の関係性 - KSON株式会社 (kson-jp.jp)
KSON株式会社HPよりお借りしました。
魚の熟成とは
魚の肉の中に旨味成分が蓄積することです。
もっと正確に言うと…
魚が死んだ後に、筋肉中に存在する化合物アデノシン三リン酸(ATP)が時間を経て、魚の旨味 イノシン酸 に変化し、その旨味により食味を向上させた状態です。
まるサバごはんHPよりお借りしました。
アデノシン三リン酸(ATP)とは?
Labster Theory pages HPよりお借りしました。
魚の生命力、活動エネルギーの元です。
生きている魚は、ATPを消費して生命活動を維持しています。
食物を摂取して、それをATPとして蓄え、それを分解するときに生じるエネルギーで生体活動を支えているのです。
このATPは、生命活動を停止したと同時に循環を停止し、イノシン酸に変化します。
まるサバごはんHPよりお借りしました。
イノシン酸はさらに分解されて臭みであるイノシン(HxR)やヒポキサンチン(Hx)になっていきますが、この反応はイノシン酸が生成されるまでの過程に比べてとてもゆっくり起こります。
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ところで、最近のTVドラマなどで、釣り上げた魚の鮮度を保つためにすぐに神経締めする場面が登場します。
その理由は、ATPの減少 ⇒ 臭み成分への変化 の抑制にあるようです。
魚の締め方と熟成の関係
まるサバごはんHPよりお借りしました。
魚を締めずにそのまま殺すと、バタバタと悶え苦しむ過程で大量のATPが消費されます。
魚の脳を破壊すると(脳締め)、脳の指令による運動を停止させることができ、その分ATPの消費量が減ります。
ただし、脊髄反射による運動は残ります。
さらに脊髄を破壊すると(脳・神経締め:以下、神経締め)、脊髄反射による運動までをも停止させることができます。
こうすると、水揚げ後の運動によるATPの消費(ATP → ADP)を最小限に留めることができるため、ATPを多く残した状態することができるわけです。
正確に言うと・・・
神経締めを行い、ATPを多く残せた場合、ATPの分解にかかる時間が増え、分解プロセス全体の進行を遅らせることができるという訳なんです。
その結果として、イノシン酸の量がピークに達する時間を遅らせることができるのです。
最終的に、臭み成分が生成されるタイミングも遅れるので、鮮度が長持ちするのです。
まるサバごはんHPよりお借りしました。
つまり・・・
神経締めを行うと熟成のピークまでの時間を遅らせることができ、鮮度を長持ちさせることができるという効果があるのです。
神経締めの意味がないこともある?
ただし、神経締めには落とし穴があります。
それは、釣り上げたり、漁獲した直後の魚を締めても、大きな効果は得られないということです。
脳の破壊や神経締めが介入できるのは、
あくまでATP → ADPの過程なのです。
特に釣った直後の魚は全身全霊で抵抗(運動)していたはずなので、既にほとんどのATPがADPに分解されてしまっています。
このため、イノシン酸のピークを遅らせる観点から言えば、釣り上げた直後に神経締めをする意味はあまりありません。
神経締めの効果を最大化するためには、水揚げした後にしばらく休ませて(活け越し)、ATP量を十分に回復させておくことが鮮度を保ち、旨味成分への変化を調整する上で重要のようです。
活け越しの効果
まるサバごはんHPよりお借りしました。
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私のパートナーは、港町出身なので、魚の鮮度は眼でみるとよく言っています。
そのほか、うろこの状態、えらの色、腹部の張りなどが選ぶ時のポイントなんだそうです。
もしかしたら、パートナーは、ATPの残存量を計測するスカウターを持っているんじゃないかしら・・・
そんなわけないよね。
はい! 今回はここまでです。
次回は、”だし”ってなに?シリーズの最後です。
それじゃあ、またね。