はーい! 科学オタクのナオでーす。
今日は、たった500cc、重さ35㎏で140馬力を発生するという 1ストロークエンジン e-REX についてお話しします。
(レース用にチューニングされたわけでないですよ。)
e-REX エンジン
Interest Engineering HPよりお借りしました。
先ずは、このe-REX エンジンを搭載した MAZDA MX-5 のPVをご覧ください。
下の短い動画のURLをクリックしてみてください。
INNengine 500cc: first test ride mounted on a Mazda MX-5 (youtube.com) 動画時間:1分56秒
そして、このe-REX エンジンの最も詳しく、かつ分かりやすい説明が下の動画です。
長いのでお時間がある時にでも、視聴されたらいいかと思います。
1ストロークエンジン e-REX 動画時間:24分49秒
エンジンのストロークとは・・・
ガソリンや軽油などの燃料を空気と混合して燃焼させるエンジンは、吸気/圧縮/燃焼/排気の4つの行程を繰り返す内燃機関です。
大半のエンジンは、4つの行程を通してシリンダー(燃焼筒)の中をピストンが上下する往復運動を、回転運動に変えて出力する「レシプロエンジン」と呼ばれるものです。
そのうち、出力軸が2回転、すなわち1個のピストンが2往復=4ストロークして4行程を完了するものを、4ストロークエンジンとよび、現在走っている自動車やオートバイのエンジンの大半はこの形式のものです。
Clicccar 13th HPよりお借りしました。
これに対し、ピストンが上昇する際に排気と吸気の圧縮を行い、下降する間に燃焼と排気を行うことで、出力軸が1回転=ピストンが1往復(2ストローク)するだけで4行程を完了する2ストロークエンジンと呼ばれるものがあります。
出力軸が1回転する間に各シリンダー1回の燃焼行程があるため、単純計算では出力軸2回転で1回燃焼する4ストロークエンジンの倍の出力を得られます。
2ストロークエンジンは構造も簡単で安価に製造できるため、かつては多用されていましたが、各行程がオーバーラップすることで未燃焼ガスが多くなったり、その構造上、潤滑オイルも燃焼してしまうなど、排気ガス対策が難しいという課題があり、今では一部用途を除いて使われなくなっています。
Clicccar 13th HPよりお借りしました。
スペインのINNengine
小型軽量1ストロークエンジン「e-REX」
スペインのINNengineが開発している「e-REX」を、同社は「1ストロークエンジン」と呼び、2ストロークエンジンの2倍、4ストロークエンジンの4倍の出力を得ることができるとしています。
e-REXもピストンを備えたレシプロエンジンで、ピストンが1往復する間に4行程を完了する2ストロークエンジン同様の燃焼動作を行っています。
ただ、特徴的な点が2つあります。
- 1本のシリンダー内に2個のピストンが向かい合う形で配置されている「対向ピストン」型のエンジンだという点
- ピストンの底部はローラーを挟んで「cam-tracks」と呼ばれる波状に成形された出力プレートに接触し、往復運動を回転運動に変えているという点
対向ピストンのため、出力プレートも両側にあり、シャフトで接続された2枚の出力プレートの間にサンドイッチされた4本のシリンダーと8個のピストンで構成されています。
e-REX エンジン
Interest Engineering HPよりお借りしました。
各ピストンは2サイクルエンジン同等の燃焼行程を繰り返すが、対向するピストンが燃焼室を共有しているため、出力軸から見ればピストンが1往復する間に「2回」燃焼サイクルがあることになります。
これが、4ストロークエンジンの4倍、2ストロークエンジンの2倍であり、INNengine社が「1ストローク」と呼ぶのはこうした特性によるものなのです。
INNengine社によると、従来の2000ccエンジンに相当する馬力を持ったe-REXは、4ストロークエンジンに必要なクランクシャフト、バルブ、カムシャフト、シリンダーヘッドといった構造を持たないため、4ストロークエンジンよりも55%の小型化と70%の軽量化が可能で、その重量はわずか35kgなのです。
e-REXは、最先端の4ストロークエンジンの経済性と低排出ガスを、2ストロークエンジンのシンプルさ、多用途性、パワーと組み合わせたレンジエクステンダー用途に理想的な選択肢だとしています。
こちらは英語バージョン動画です。 動画時間:5分30秒
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このe-REXエンジンの問題点と課題は、幾つか指摘されているものの、まだまだ、そのポテンシャルは分からないことが多そうですね。
はたして、e-REXエンジンは新たなエンジンとして、社会に拡大普及していけるでしょうか。
はい! 今回は以上です。
それじゃあ、またね。