はーい! 科学オタクのナオでーす。
今回は、視物質の作動メカニズム!
簡単に言えば、眼の中でどんなことが起こって、脳に 見えた! って信号が伝わるの? ということをレポートしたいと思いまーす。
光を感じるロドプシン
光を感じる視物質のロドプシンは、オプシンと呼ばれるタンパク質とレチナールから構成されています。
レチナールは、ビタミンAとしても知られるレチノールのアルデヒド型です。
シス-レチナール(上)、トランス-レチナール(下)
コトバンクHPよりお借りしました。
下の画像は、ロドプシンの3D模式図です。
小さくて分かりにくいんですけど、中央の赤い部分がレチナールで、それ以外の部分がオプシンです。
ロドプシン3D
User Life Science HPよりお借りしました。
光を感じる仕組みは以下の通りです。
① 光を受けるとレチナールの形がシス型からトランス型へと変化します。
② それに伴い、オプシンの形も変化します。
③ 視細胞内のシグナル伝達役のGタンパク質が活性化されます。
④ 視細胞内の電気信号を引き起こすため。Gタンパク質がシグナルを伝達します。
⑤ 視細胞内での電気信号が視神経を通って脳に達します。
光を感じる仕組み
User Life Science HPよりお借りしました。
色を感じるヨドプシン
(最初は昨日のブログの繰り返しになりますが・・・)
色を感じることができる錐体細胞に含まれる視物質は、ヨドプシンといいます。
ヨドプシンもレチナールとオプシンが結びついた構造をしていますが、ロドプシンのオプシンとは構造が異なります。
このヨドプシンのオプシンの構造の違いにより、ヨドプシンは、赤・緑・青の光を感じることができます。
錐体細胞には、赤錐体(L錐体)・緑錐体(M錐体)・青錐体(S錐体)とよばれる3種類の細胞があります。
視細胞(錐体細胞と桿体細胞)
北海道カラーユニバーサルデザイン機構HPよりお借りしました。
この3種類の錐体細胞は、それぞれ約560 nm、約530 nm、約430 nmを中心にある程度の幅をもつ波長範囲の光を感じることができます。
赤・緑・青の錐体の受光スペクトル
人間の色ヒトの色HPよりお借りしました。
進化の過程での波長感受性の多様化
光受容体である視物質は、発色団レチナールとオプシンと呼ばれるタンパク質部分からなるタンパク質複合体です。
脊椎動物は、11-シス型のレチナール(レチナール1)もしくは二重結合の一つ多い3-デヒドロレチナール(レチナール2)を発色団として持っています。
脊椎動物の視物質の吸収極大波長は、350~570nmの幅広い領域に分布しています。
発色団の違い以外に、視物質の吸収極大波長を変化させる原因として、オプシンのアミノ酸配列の違いが挙げられます。
脊椎動物のオプシンは、約350のアミノ酸から構成されています。
下の図において、一つ一つの丸は一つのアミノ酸を示しており、中に書かれているアルファベットはアミノ酸の種類を示しています。
オプシンの基本的な構造(上のロドプシン3Dの図参照)
大阪大学 久富修氏の資料よりお借りしました。
現在までに、100を越える脊椎動物オプシンの一次構造が解析されたそうです。
代表的な動物のオプシンのアミノ酸配列間の類似度を解析したものが下の分子系統樹(左側)です。
オプシンには、5種の基本的なサブファミリーが存在していることが分かります。
これらが、11-シス型レチナールと結合したときの吸収極大波長が右に示されています。
このように、オプシンサブファミリーの存在とその発現調節が、それぞれの視細胞の波長感受性を多様化させているのです。
基本的に、一つの視細胞には1種類のオプシンしか発現していません。
ここで興味深いのは、ヒトー緑とヒトー赤のオプシンは同じサブファミリーに属し、分岐したのもそれほど古い時代ではないということです。
それともう一つ、ヒトー青というのは無くて、ヒト-紫があるのってどうしてでしょうね。 (ワカラン)
オプシンの系統関係
大阪大学 久富修氏の資料よりお借りしました。
オプシンの系統関係を解析した結果を脊椎動物の各動物綱に対して整理したものが下の図です。
脊椎動物は、その進化の過程で色覚を進化させてきたことが示されています。
この図でも、[ヒト]の進化を見ると、緑感受性視物質が、赤感受性視物質から進化していることが分かりますね。
色覚の進化
大阪大学 久富修氏の資料よりお借りしました。
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色覚の進化の図を見ると、ヒトの緑感受性視物質って、まだ進化の過程にあるような感じですね。
他の哺乳類ってどんな状況なんでしょうね。
それについては、次のブログでご紹介できたらなって思っています。
それじゃあ、またね。