はーい! 科学オタクのナオでーす。
久しぶりに宇宙関係の話でーす。
今回の話は、「紫の惑星、宇宙人がいる可能性」です。
Microsoft Start HPよりお借りしました。
新たな研究によると、地球はかつて紫色だったかもしれない。そして、同じ理由で地球外生命体は紫色をしているかもしれないということだそうです。
太古の地球は紫だった――そんな可能性をかねてより提示しているのは、米メリーランド・スクール・オブ・メディスン大学の微生物学者Shiladitya DasSarma氏です。
専門誌「International Journal of Astrobiology」に掲載された論文によると、地球上に生まれた初期の生命はレチナールという紫色の色素を使って光合成をしていた可能性があるそうです。
DasSarma S, Schwieterman EW (2021). Early evolution of purple retinal pigments on Earth and implications for exoplanet biosignatures. International Journal of Astrobiology 20, 241–250.
光を吸収したときのレチナールの変化
National Geographic HPよりお借りしました。
一般に、植物や藻類は緑色のクロロフィル(葉緑素)を使って光合成を行っています。
しかし、不思議なことに、クロロフィルを使った光合成システムでは、太陽光に含まれるエネルギー豊富な緑色の光を吸収しにくいのです。
(吸収せず反射するので、植物は緑色なのです。)
太陽光の規格化放射強度スペクトル
Techn-Synergy HPよりお借りしました。
なぜこのような一見非効率的に思われる仕組みが広まったのかは諸説ありますが、DasSarma氏は、葉緑素に先立って、緑色の光を効率よく吸収するレチナールによる光合成システムが生まれていたのではないかという仮説を提案しています。
レチナールはクロロフィルより単純な物質である点からも、先立って光合成に採用された可能性は高いとのことです。
農研機構HPよりお借りしました。
現代でも、古細菌や単細胞生物の一部がレチナールを用いて光合成を行っていることが知られています。
これらの生物は赤と青の光を反射するので紫色に見えるのです。
さらに、スペインやオーストラリアには、このような好塩性の微生物が原因で、紫に色づいた美しい塩田が存在します。
つまり、太古の地球もこの塩田のような紫色だった可能性があるのだそうです。
繁殖する菌類や藻の種類が異なるスペインの塩田
TABIZINE HPよりお借りしました。
DasSarma氏も論文では、地球外生命体がレチナールを使う戦略を取っている可能性も高いと主張しています。
生命が存在する可能性のある星を探す際、これまで「緑色」に注目していましたが、「紫色」にも注意を払うべきだと主張しています。
実際、NASAも地球外生命が紫色である可能性を視野に入れ始めているんだそうです。
いつか、宇宙のどこかに、紫色をした生命にあふれた星が見つかるかもしれません。
そこには一体どんな生物がいるのでしょうね。
はい。今回はここまでです。
それじゃあ、またね。