はーい! 科学オタクのナオでーす。

 

 

シリーズ 構造色ってなに? 第1回は、基本的な薄膜構造の干渉についてです。

 

シャボン玉

シャボン玉って虹色に見えますよね。

どうしてでしょうね。

 

シャープHPよりお借りしました。

 

これは、プリズムと同様に、日光分光されて、私たちの目に届いているからなんです。

ただし、プリズムと違う点は、反射光だっていうことと、干渉が介在しているという点かな。

 

SMART DIYs Media HPよりお借りしました。

 

日光はたくさんの波長 λ の光の集合体です。

 

太陽光の規格化放射強度スペクトル

Techn-Synergy HPよりお借りしました。

 

干渉作用は、位相が揃った時にを強め合います

シャボン玉の膜厚 が一定なら、異なる波長 λ の光は、それに応じた入射角(反射角) θ がそれぞれあります。

 

そのため、プリズムのように、まるで日光が分光されたかのよう虹色に見えるのです。

 

干渉条件

TRIMM 摩擦と潤滑HPよりお借りしました。

 

 ただし、話はそう簡単では無いそうです。

というのは、シャボン玉の膜って、一枚の均一な厚さの膜じゃないんですびっくり

 

 シャボン液に使われる石鹸は、水となじむ親水基油となじむ疎水基親油基をもつ界面活性剤です。

 シャボン玉の膜は、下の図のように、疎水基を外に向け親水基を内側に向けて両面に並んだ2分子膜構造を取っています。そして、その2分子膜構造が2層、3層と多層構造を形成しているのです。

 石鹸分子の長さは約 2nm(1mmの100万分の1)、石鹸の2分子膜の厚さは 5〜6 nm です。

 可視光の波長380~770nmなので、石鹸の2分子膜単層では、その膜強度だけでなく、干渉作用をおこすために位相を合わせることもできませんね。

 したがって、シャボン玉2分子膜の多層構造が形成されて初めて、干渉作用が起こり、虹色シャボン玉が生まれるのです。

 

シャボン膜の構造

Techn-Synergy HPよりお借りしました。

 


 下の図は、シャボン玉の多層構造が作り出す干渉色を撮影した顕微鏡写真です。

 数多くの丸い穴が見えます。このこそ、一層の2分子膜が割れた部分、そしてステップの形成を表しています。

 特に左下に見られる膜厚が薄く干渉色グレー~黒になっている領域で、膜厚変化していることが確認できます。

 

  このように、2分子膜ステップが現れるということは、上図の模式図のように、シャボン膜層ごとに割れていくことを意味しています。

 

シャボン膜の顕微鏡写真

Techno-Synergy HPよりお借りしました。

 

シャボン空気というが吹き込まれ、2分子膜が形成され、さらに多層膜を形づくって、虹色干渉色を生み出し、やがて、多層膜一層、また一層と割れていき美しい干渉色を失い、そして、消えていく・・・

 

儚いシャボン玉の一生ですが、レインボーカラーに彩られ輝いた一時があるということは素敵ですね。照れ

 

はい! 今回はここまでです。

それじゃあ、またね。