はーい! 科学オタクのナオでーす。
スマホにEV どちらも泣き所はバッテリー充電ですね。
原子力電池 もうご存知の方も多いかもしれませんね。
ほぼ永遠に使い続けることのできる電池だそうです。
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木星以遠の宇宙を長旅する惑星探査機には、太陽電池パネルではなく、原子力電池が搭載されます。
1977年に打ち上げられたNASAの惑星探査機ボイジャーは、木星、土星、天王星、海王星を通過しながら写真撮影したのち、太陽系を飛び出していまなお地球に信号を送り続けています。
ボイジャー1号 最果てを目指して
スペースサイト!HPよりお借りしました。
2006年1月、NASAによって打ち上げられた初の冥王星探査機ニューホライズンズにも原子力電池が搭載されています。
冥王星探査機ニューホライズンズ
AFPBB News HPよりお借りしました。
ニューホライズンズ探査機の科学機器
月探査情報ステーションHPよりお借りしました。
アメリカが1980年代に開発した電気出力300キロワット級の宇宙用原子力電池 GPHS-RTG
Space&Nuclear HPよりお借りしました。
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この原子力電池が民生用に開発されたそうです。
先ずは下の短い動画をご覧ください。
動画時間: 57秒 *繰り返し再生されます。
原子力電池とは・・・
原子力電池は、熱電対の原理を応用した発電機です。熱電対とは、異なる種類の金属を接合して輪にしたもので、片方の接合部を熱すると起電力が発生して電流が流れます。
この現象は、発見者の名をとってゼーベック効果と呼ばれます。
熱電式原子力電池の構造
ATOMICAよりお借りしました。
この熱電対と加熱源としてのアイソトープ(放射性同位体)を組み合わせたのが原子力電池です。
アイソトープが自然崩壊するときに出す放射線が物質に吸収するとき熱を発生するので、これを熱源として電力を得ます。このためアイソトープ電池とも呼ばれます。
充電不要スマホ実現へ。中国、50年間発電し続ける民生向け「原子力電池」を開発 - PC Watch (impress.co.jp)
中国・北京貝塔伏特新能科技有限公司は、2024年1月8日、民生向けとしては初めて実用化できるレベルの小型化/モジュール化/低価格化を実現した「原子力電池(中国語では原子能電池)」の開発に成功したと発表しました。
この原子力電池は、50年間の安定した発電が可能としており、充電、メンテナンスが一切不要です。
既にテスト段階に入っており、もうまもなく市場向けに投入できるそうです。
同社の原子力電池は初の民生向けとなっており、放射性同位体 ニッケル63 から発せられるベータ線(電子)を用いています。
2枚の厚さ10μmの単結晶ダイヤモンド半導体でそのニッケル63を挟み込むモジュール構造を採用しています。
モジュールとなっているため、数個もしくは数百個でユニットを作成し、直列または並列でつなぐことで、異なるサイズ、異なる出力を持つ電池を作成できるということです。
*ニッケル63: β線(電子)を放出する放射性同位元素であり、半減期は約100年です。
β線は、薄い金属板で遮へいすることができます。
原子力電池の構造
最初の製品は「BV100」という名前で、世界初のコンシューマ向け原子力電池となります。
電圧は3V、出力は100μWと小さいが、本体サイズはわずか15×15×5mmでコイン1枚よりも小さいサイズです。
2025年には1Wの製品を予定しており、法律および政策的に問題がなければ、「(事実上)永遠に充電する必要がないスマートフォン」や「(事実上)永遠に飛び続けられるドローン」も実現できるとしています。
外部に対して放射性物質を出すこともないため、人工心臓や渦巻管といった医療機器にも応用可能だそうです。
ニッケル63は、壊変で最終的に銅の安定同位体となり、一切の放射性を持たず、自然や環境への脅威にもならないとしています。
以下の動画でわかりやすく説明しています。
動画時間: 8分11秒
動画時間: 10分47秒 *原理まで知りたい方はこちら
はい! 以上です。
しかし、半永久的に電力を出し続ける電池って凄いですね。
放射性同位体を民生用に売り出すなんて、中国だからできたのでしょうね。
日本は、当分、無理でしょうね。
安全の議論の前に、放射能という単語に絶対拒否!が先立ちますからね。
でも、レントゲンや飛行機に乗るのは大丈夫!っていうのがよく分かりませんね。
それにしても、永久に飛び続けるドローンって、商業利用にはいいけど、悪用されたら大変な事になりそうですね。
こういったブレイクスルーは日本でも検討してもらいたいですよね。
勿論、安全には十分配慮してね。
はい。今回はここまでです。
それじゃあ、またね。