はい! 奈央です。
marine(と私)の仕事は企業のコンサルティングです。
企業の若い開発メンバーと議論を交わすのはとても楽しいのですが、時々、議論が堂々巡りになることがあります。
その原因はずばり、問題の本質の周りで推測しあっているだけなのです。
それで、百聞は一見に如かず
科学分析することを提案し、測定スペクトルが出てくると、なーるほど!ということに・・・ならないんですよね。
そうなんです。
得られた測定スペクトルを合理的に解析する経験が不足しているんですよね。
それで、百見は一考に如かず
合理的な解析手法を提案します。
これでコンサルの仕事は一件落着!・・・とならないんですよね。
そうなんです。
解析手法は分かったけど、実際に数式を使ったり、EXCEL を使って統計処理したりすることに手が動かないんですよ。
それで、百考は一行に如かず
実際に解析して見せるんです。
なーるほど! そうやるのね。
(若い開発メンバーのキラキラした瞳が眩しい)
さあて、どんな結論になるのかな?
百行は一果(効)に如かず
企業活動ですからね。
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百聞不如一見 (百聞は一見に如かず)
百見不如一考 (百見は一考に如かず)
百考不如一行 (百考は一行に如かず)
百行不如一効 (百行は一果(効)に如かず)
百効不如一幸 (百果(効)は一幸に如かず)
百幸不如一皇 (百幸は一皇に如かず)
意:
聞くだけでなく、実際に見てみないとわからない
見るだけでなく、考えないと意味がない
考えるだけでなく、行動するべきである
行動するだけでなく、成果を出さなければならない
成果をあげるだけでなく、それが幸せや喜びにつながらなければならない
自分だけだなく、みんなの幸せを考えることが大事
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以下、teru.fan.coocan.jp/kotowaza/hyakubun.htmlよりお借りしました。
漢書・趙充国伝
百闻不如一见、兵难遥度、臣愿驰至金城、图上方略、・・
(百聞は一見に如かず。 軍事情勢は離れたところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)
西漢の宣帝の時代、チャン族が国境に侵入し都市を攻め落として土地を略奪し、家を焼き払い人を殺し金品を奪いました。
宣帝は直ちに群臣を集めて相談し、誰か兵を従えて敵と戦う者はいないかと尋ねました。
すると、齢70に余る老将の趙充国が、自分がその重責を果たしましょうと自ら進んで買って出ました。
そこで宣帝が、どの位の兵馬が必要かと聞いたところ、彼は「人の言うことを百遍聞くよりも、一度自分の目で実際に見る方が良く分かります。前線の情況は遠くからでは良く分からないので、私が自ら行ってみたいと思います。その上で攻守の計画を策定して、作戦地図を画いて陛下に上奏いたします。」
宣帝は、彼の意見に同意して趙充国に人・馬一隊を預けて出発させました。
一隊は黄河を渡った後、しばらく行くとチャン軍の一部隊と出会いました。
趙充国は攻撃命令を下し、たちまち大勢の敵を捕虜にしました。
兵たちは勝ちに乗じて更に進撃しようとしましたが、趙充国はそれを押しとどめて言いました。
「我が軍は万里をも遠しとせずこの地までやって来たが、やはり兵馬も疲労しているだろうから深追いはやめたほうが良い。万一敵の待ち伏せ攻撃にでも出会ったら、やられてしまうかもしれないではないか。」
兵達はこれを聞いて、この老将の思慮深さと決断力の素晴らしさに敬服しないものはいませんでした。
趙充国は地形を偵察し、さらに捕虜にした敵兵の口から、敵の内部の情況を聞き出し、敵軍の兵力や部署を調べ上げた後、兵を駐屯させ守備を固め、国境を整備しチャン族の策略を分裂瓦解させる計画を立てて、宣帝に上奏しました。
ほどなく、チャン族の侵略、騒擾(そうじょう)は朝廷によって平定され、西北の国境は安定したのでした。
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企業の若いメンバーとの交流は、私の方もたくさんの刺激をもらって、とても楽しい時間です。
開発が成功すれば、さらにいいんですけどね。
それじゃあ、またね。