はーい! プラスチック探偵のナオでーす。
今回ご紹介するのは、アセテート でーす。
アセテートとは、木材パルプを主な原料としたセルロースに酢酸を結合させて作られる繊維のことです。
光沢があり吸湿性が高いのが特徴です。
アセテート繊維
Dressdoor HPよりお借りしました。
繊維は「天然繊維」と「化学繊維」の2つに分けられます。
化学繊維は、さらに「再生繊維」「半合成繊維」「合成繊維」「無機繊維」に分類され、アセテートは「半合成繊維」にあたります。
繊維の分類
天然繊維
植物繊維 麻、コットン など
動物繊維 ウール、シルク など
鉱物繊維 石綿(アスベスト)
化学繊維
再生繊維 レーヨン、キュプラ、リヨセル など
半合成繊維 アセテート など
合成繊維 ナイロン、ポリエステル、アクリル など
無機繊維 ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維 など
アセテートの中には、「ジアセテート」と「トリアセテート」が含まれています。
酢酸の結合量(付加するアセチル基の数)によって呼び名が異なり、多く結びついたものをトリアセテートと呼びます。
一般的に「アセテート」と言うと「ジアセテート」を指しています。
アセテート(ジアセテート)
KNIT MAGAZINE HPよりお借りしました。
セルローストリアセテート(CTA)
透析note【臨床工学士 秋元のブログ】よりお借りしました。
厳密には、以下のようにそれぞれ定義されています。
◆アセテート ⇒ 水酸基の74%以上92%未満が酢酸化
◆トリアセテート ⇒ 水酸基の92%以上の酢酸化
半合成繊維とは
半合成繊維とは、セルロース(植物由来)やタンパク質(動物由来)などの天然の原料を化学的に改良した繊維のことです。
アセテート・トリアセテートの特徴
アセテートとトリアセテートは、6つの特徴を併せ持っています。
二つの間には、アセチル基の数が違うため、効果の大きさには、僅かに差があります。
① シルク(絹)のような美しい光沢感と柔らかさ
シルクのような美しい光沢感とドレープ性に加え、ふんわりとした弾力性を併せ持っています。
化学繊維であるアセテートですが、まるで天然繊維のようなふっくらとした肌触りです。
② 発色性の良さ
アセテート繊維の断面構造は、レーヨンと同様に側面に筋状の溝が多くあり、シルク(絹)に似た光沢と深みのある鮮やかな発色性を持った繊維です。
アセテートとトリアセテート繊維の顕微鏡写真
Trim-park SHIMADA BLOGよりお借りしました。
③ 軽い
コットンやレーヨンなどと比べて軽いのもポイントです。
④ 環境に優しい
木材パルプを原料として作られる植物由来のアセテートは、高い生分解性を持ち、土に埋めると分解される性質があります。また、天然由来の素材のため、人体への影響も少ないと言われています。
⑤ 適度な吸湿性
ポリエステルなどに比べると適度な吸湿性もあり、静電気が発生しにくいため、裏地にも使用されています。
アセテートの方が吸湿性は高いですが、反対にトリアセテートは、速乾性に優れています。
⑥ 撥水性が高く、汚れにくい
アセテート生地は撥水性が高く、汚れにくいのも特徴です。また、発色性も高いことからレイングッズ(雨具)などにも活躍しています。
アセテートの用途
主にレディース向けの製品に使用されているアセテート生地ですが、使い道について詳しくご紹介します。
◎衣服 ブラウス、シャツ、ジャケット、スカジャン、スカート、パンツ、ドレス、ワンピースやスーツの裏地、レインコート
◎小物 ネクタイ、スカーフ
◎雑貨、その他 メガネ拭き、カーテン
このようにアセテートは、表地のみならず裏地にも使用できる万能な生地なのです。
他にも、傘やメガネフレーム、たばこのフィルターなどにも使用されています。
****************************
いかがでしたか?
アセテートって、レーヨンに近い感じですよね。
はっきり言って、見ただけでは分からないですよね。
でも、着てみて気持ち良ければそれが一番ですよね。
はい。今回はここまでです。
それじゃあ、またね。