はーい! プラスチック探偵のナオでーす。

 

接着剤ってファインケミカルの代表よね!

なんで?

それはね、普通、一般的な製品の値段って、その大きさや重さに比例することが多いのよね。

ところが、接着剤面積(界面)で機能するものだし、薄ければ薄いほど、界面の機能が反映されるからよ!

 

つまり少量で効くものほど良いってことかニャ?

そうなのよね!

瞬間接着剤とか、医療用の接着剤なんて、その典型かな。

 

そもそも、どうしてくっ付くのでしょうね?

 

接着剤が物をくっつける要因
① 投錨効果(アンカー効果) 

 平らに見えてもミクロな世界では小さな凹凸があります。その凹凸に接着剤が入り込み、固まることで接着します。
② 静電効果  

 被着体同士の電気的な偏りによって、静電気の働きで接着します。プラスチックの下敷きをこすって髪の毛に近づけると静電力で引きつけられ逆立つ現象と同様の原理です。
③ 化学結合 (共有結合、イオン結合、水素結合)

 被着体同士の界面で、分子が科学的に結合することで接着が行われます。
④ 相互拡散 (インターペネトレート、IPN)

 被着体の表面を溶かして、分子を絡ませて固まらせることで接着します。プラモデルなどに使われる溶剤を含んだ揮発性接着剤がこの原理を利用しています。

 

接着剤と被着体の接着メカニズムの一例 

TECH TIMES HPよりお借りしました。

 

エポキシ系接着剤は、どんな要因で接着しているんでしょうね。

CENEDINE HPよりお借りしました。

 

1液タイプ2液タイプ

 1液タイプによって反応して固まります

 そのため、硬くなるのに時間がかかったり、加熱する必要があったりします。

 また、熱が加わることによって反応してしまうため、冷蔵保管が必要になる場合があります。

 主に、工業用として使われるみたいですね。

 2液タイプ本剤(エポキシ化合物)硬化剤(アミン、酸無水物など)に分かれていて、それらを混ぜ合わせることで反応し固まります

 混ぜない限り反応は起きませんので、加熱設備を用意する必要がなく、常温で保管することが可能です。

 そのため、一般用としては2液タイプのエポキシ接着剤が多く取り扱われています。

固まるまでに、どのくらいかかるの?
 一般用の2液タイプ硬化時間は、早いもので30分、長いもので数日かかる場合もあるそうです。

 確実に接着させたい場合は、1日~数日待つ必要があるようですね。ウインク

 硬化は、化学反応(重合反応)なので、室温・気温の影響を受けやすいのです。

 は暑いので、早く固まりやすいのですが、は温度が低いため固まりにくいのです。

 そのため、寒い季節は通常より長めに待ちましょう!

 

どんな素材に使用できるの?
 金属(鉄・アルミ・ステンレス・ニッケル)、プラスチック(ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート)、木材、コンクリートなど、いろいろなものに使用できます。

 

ナオは、運動シューズパンプス修理なんかにもよく使ってまーす!

 

以下は、プラスチック屋さんの専門的な内容なので、スルーしていただいて結構です。

 

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反応メカニズム

 エポキシ樹脂は単独で反応することはあまりありません。そのため、硬化剤や触媒と組み合わせて硬化させる必要があります。

 エポキシ樹脂の反応は、エポキシ環(オキシラン環)と呼ばれる部位の開環を伴う付加重合や開環重合により進行するため、反応後は副生成物を出さないのが特徴となります。

 反応によって得られる硬化物の分子構造は、最終的に三次元網目構造を形成します。そのため不溶不融で、耐熱性の高い硬化物が得られます。

 

 代表的な硬化剤としては、アミン化合物酸無水物塩基性触媒ルイス酸触媒などが用いられます。

 


DENACOL HPよりお借りしました。


①エポキシ樹脂とアミン化合物との付加反応 

 アミン化合物との反応は、エポキシ樹脂の硬化反応に最も広く用いられている反応です。基本的には常温下でエポキシ樹脂と反応し、強靭で接着性に優れた硬化物が得られます。

 種類としては、脂肪族ポリアミン・脂環式ポリアミン・芳香族ポリアミン・変性ポリアミドアミンなどが挙げられ、用途や硬化条件により使い分けます。

②エポキシ樹脂と酸無水物との共重縮合反応 

 酸無水物との反応では加熱硬化(100℃以上)が必要となりますが、酸無水物の粘度が低いため作業性が良く、混合後のポットライフも長いため、取り扱いに優れています。硬化物としては高Tgかつ電気絶縁性・機械的特性・耐熱安定性に優れた硬化物が得られます。アミン化合物と比較して安全性が高いため、電気・電子絶縁材料分野では最も一般的に使用されている硬化剤になります。

③塩基性/酸性触媒によるエポキシ樹脂同士の自己重合

 エポキシ樹脂はアニオン重合・カチオン重合・配位重合いずれも硬化可能な樹脂です。

 中でも、イミダゾール類などの塩基性触媒によるアニオン重合が一般的に使用されることが多いようです。他の硬化剤と異なり、エポキシ樹脂に対して少量の添加で硬化させることができ、120℃~150℃の硬化温度条件下で短時間硬化し、高Tgの硬化物が得られます。

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エポキシってどういう意味?
 

エポキシ epoxy (n.)
 「エポキシ」という言葉は、1916年に特定の化合物を指すために使われ始めました。

 この言葉は、oxygen の最初の要素と epi- から構成されています。

 epi-化学的な用法の1つが「分子内結合」なんだそうです。

 化学において、Epoxy- は、分子内の2つの炭素原子に結合した酸素原子を示す接頭辞として使用されます。

 これにより、「分子内の橋」が形成されます。

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はい! 今回はここまでです。

 

次回は、ICチップに多用されているエポキシ樹脂についてレポートしたいと思います。

 

それじゃあ、またね。