はーい! 科学オタクのナオでーす。
学校で習う科学って、基本的には正しいんですけど、100%正しいわけではないんですよね。
そんな事象に出会うと、あれ? ってなっちゃいませんか。
今回は、そんな あれ? をご紹介したいと思います。
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凝固点降下(ぎょうこてんこうか) Wikipediaより
溶質を溶媒に溶かすと、溶媒の凝固点が低くなる現象のことです。
例えば、純粋な水は0℃で凍りますが、食塩水や砂糖水はさらに低い温度まで液体として存在します。
飽和食塩水(食塩濃度25%の食塩水)であればその食塩水は−22℃になってはじめて凍ります。
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私もこの「凝固点降下」を信じて疑わなかったんですけど、プラスチックのことを調べるようになって、あれ? ってなっちゃったんですよね。
言ってみれば、「凝固点上昇」な現象ですね。
それは、プラスチック屋さんの言葉でいえば、「結晶核剤」による「結晶化温度の上昇」です。
結晶核剤と結晶化促進剤
プラスチックの成形工程にとって、生産性はたいへん重要な要素です。
したがって、溶融状態から結晶状態にする結晶化速度が生産性を左右するのです。
溶融状態からの高分子の結晶化は、融点よりやや低い過冷却温度で結晶核が生成し、その結晶核を中心に結晶が成長していくことで進行します。
したがって、結晶化速度は、結晶核の生成速度を高めることか成長速度を高めることのいずれかで速くなります。
狭義に、前者に有効な添加剤を結晶核剤と呼び、後者に有効な添加剤を結晶化促進剤と呼び区別しています。
結晶核剤の効果により、球晶の数が増加し、球晶のサイズは小さくなります。
添加剤ドットコムHPよりお借りしました。
また、結晶核剤が存在すると、冷却過程でより高い温度で、結晶核が発生して結晶が成長します。
つまり! 「凝固点上昇」なのです。
添加剤ドットコムHPよりお借りしました。
もちろん、結晶核剤や結晶化促進剤の逆効果を示す結晶化遅延剤も存在します。
Wikipediaには、次のような但し書きがありました。
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溶質が溶媒の固相に取り込まれる場合は、凝固点は降下する場合も上昇する場合もある。 Wikipediaより
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結晶化を促進するか、遅延するかは、分子構造や結晶構造に依存します。
そのあたりのことは、次回以降でレポートしたいと思います。
それじゃあ、またね。