はーい! 科学オタクのナオでーす。
暑い夏は、冷えたフルーツゼリーなんて良いですよね。
ゼリー(英: jelly)は、一般にはゲルの通称、あるいは水分を大量に含み一様な分散状態をとるゲルのことです。
ゲル と ゾル
化学用語としての区別は次の通りです!
「ゾル」とは、流動性のあるコロイド溶液
*コロイド溶液: 光が散乱しないくらいの大きさの粒子が溶けている溶液
つまり、簡単に言えば
「ゾル」とは、「流動性のある液体状あるいは粘り気のある状態」のこと
例: 牛乳・ジュース・石けん水・マヨネーズなど
語源: ラテン語の「ソリディウス(固いもの)」
「ゲル」とは、ゾルが固まった流動性のないコロイド溶液
つまり、簡単に言えば
「ゲル」とは、「固体状の流動性のない状態」のこと
例: ゼリー・プリン・こんにゃく・羊羹・豆腐など
語源: ラテン語の「ゲラトゥス(凍結されたもの)」
ゲル化とは?
水を多く保持する多糖類の溶液は、その濃度の増大に伴って粘度が上昇し、ついにはゲル化(ゼリー化)します。
わかりやすく言うと、液体中の多糖類濃度が高くなると、お互いが絡まりあい、分子同士がくっつくことで網目のような構造が作られるのです。
そして、自由に動けなくなった多糖類の網目構造の中には大量の水が含まれ保持されるのです。
これが ゲル化 です。
動画時間: 5分53秒 お時間があればご覧ください。
ゲルの構造モデル
多糖類の高分子が、無秩序に存在している状態から、それぞれが、例えば、らせん構造をとって立体的な網目構造、結合領域を作ることでゲル化します。
① 2重らせんモデル(カラギナン等)
多糖類.com HPよりお借りしました。
複数のらせん構造が凝集するとさらに強固なゲルになります。
② エッグボックスモデル(アルギン酸ナトリウム等)
多糖類.com HPよりお借りしました。
それぞれ単独ではゲル化しない成分を混合することで、お互いに作用して立体的な構造を作り、ゲル化します。
③ 分子間相互作用モデル(キサンタンガム-ローカストビーンガム等)
多糖類.com HPよりお借りしました。
以上の他に、以下のようなモデルもあります。
④ 糖や酸を利用した水素結合モデル(タマリンドシードガム、HMペクチン等)
水素結合による分子の会合により起こるゲル化は、糖やアルコールの存在による水分活性の低下や、酸性条件による電気的反発力低下により、水素結合が強化され、より分子鎖が強く結合されることで網目構造が形成されます。
⑤ 加熱によるゲル化モデル(カードラン等)
多糖類の加熱によるゲル化は、疎水結合が関与してゲル化すると考えられています。 代表的な加熱によりゲル化する多糖類としては、カードランやメチルセルロースが挙げられます。
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水素結合の力は、10〜40 kJ/mol
共有結合の力は、500 kJ/mol程度
水素結合の力は、一つ一つは小さくて弱いのです。
しかし、たくさん集まると、とても強い結合になります。
セルロースの水素結合
化学受験テクニック塾HPよりお借りしました。
水素結合の数が少ないと、外部からの大きな力によって、結合が切れてしまいます。
これがチキソトロピーのメカニズムの一つです。
逆に、水素結合の数が多いと、どんな大きな力、高い熱でも結合が切れて液体のように流れることはありません。
セルロースなどはその典型ですね。
多糖類の水素結合によるゲル化
この化学現象は、スイーツ作りの中でとても広く使われています。
はい! 今回はここまでです。
それじゃあ、またね。