はーい! プラスチック探偵のナオでーす。
連日の猛暑に若干夏バテ状態でーす。
さてさて、今回はPTFE以外のフッ素系プラスチックのご紹介です。
フッ素樹脂にはPTFEを含め9つの品種があるそうです。
(細かに分類すればもっと多いんでしょうけどね。)
下記の表は略称と日本語名称になります。
略称 名称(日本語名称)
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
(四フッ化エチレン樹脂)
PFA パーフルオロアルコキシアルカン
(四フッ化エチレンパーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合樹脂)
FEP パーフルオロエチレンプロペンコポリマー
(四フッ化エチレンー六ふっ化プロピレン共重合樹脂)
ETFE エチレンーテトラフルオロエチレンコポリマー
(四フッ化エチレンーエチレン共重合樹脂)
PVDF ポリビニリデンフルオライド
(フッ化ビニリデン樹脂)
PCTFE ポリクロロトリフルオロエチレン
(三フッ化塩化エチレン樹脂)
ECTFE エチレンークロロトリフルオロエチレンコポリマー
(三フッ化塩化エチレンーエチレン共重合樹脂)
TFE/PDD テトラフルオロエチレン
ーパーフルオロジオキソールコポリマー
(四フッ化エチレン・パーフルオロジオキシソール
共重合樹脂)
PVF ポリビニルフルオライド
(フッ化ビニル樹脂)
実は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の最大の弱点は、溶融成形ができない!という点なんです。
じゃ、どうしているかって?
実は、塊から削り出しているんですよね。
(専門用語では 切削加工 っていいます。)
それで、PTFEの素晴らしい特性を維持したまま、成形性を改善しようとして、様々なフッ素系プラスチックができてきたってわけなんですよね。
ちょっと理系っぽく書くと・・・
代表的なフッ素系高分子であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、化学的に安定で耐薬品性に優れた材料です。しかし、溶融粘度が高く、一般的な成形方法(射出成形や押出成形方法など)が使用できないため、この成形性を改善する目的で他のモノマー成分を共重合させました。
PFA (パーフルオロアルコキシアルカン)について
PFAは、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体で熱可塑性樹脂です。
ここで、パーフルオロ(Rf)というのは、炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置き換わったもののことです。
PFAの分子構造
明興工業㈱HPよりお借りしました。
PTFEに匹敵する特性を持ち、切削加工しかできないPTFEと異なり、複雑な形状でも溶融成形ができるのが最大の特長です。
さらにPFAは、-200℃から260℃までの幅広い温度で安定した機械強度を保つことができます。
強酸、強アルカリや有機溶剤に対しても強い抵抗性を示し、ほとんどの薬品に対して侵されることがないので、耐薬品性にも優れています。
その他、電気絶縁性や非粘着性、耐候性にも優れてるんだそうです。
PFAの物性
融点:約280~320℃ (PTFE 327℃)
粘度:104~105 ポイズ(380℃)
(PTFE 400℃以上で分解が始まる)
最高連続使用温度:260℃ (PTFE 260℃)
PFAの加工方法
PTFEの様に溶融粘度が高くないために、汎用プラスチックと同様な溶融流動成形法が用いられます。
例えば、押出成形法、射出成形法、トランスファー成形法、回転成形法、ブロー成形法、溶融圧縮成形法、コーティング法があります。
PFAチューブ
㈱吉田SKT HPよりお借りしました。
PFAは、複雑な形状の成形品を大量に生産する場合にも対応可能なんですね。
PFA の弱点
滅菌レベル用量のガンマ線に曝露されると材質が損傷
PFAの用途
半導体工業分野
ウェハバスケット、継手、チューブなど
ライニング、電線被覆、フィルム、フィルター、バルブ
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はい! 今回はここまででーす。
っていうか、暑すぎて頭が回らなーい。
早く秋が来て欲しいよー!
それじゃあ、またね。