はい! 奈央です。
今日のレポートも、お月様のことです。🌝
現在、月は1年に3.81cmずつ地球から離れつつあるそうです。
月が形成されて間もない頃は、今よりはるかに地球に近く、40億年前、月と地球との距離は12万9,000kmで、これは現在の38万4,400kmと比べると、約3分の1となっています。
40億年以前、はたして、月はどうやってできたのでしょうね?
主な説によれば・・・
月は、45億年前、地球が誕生して間もないときに、火星サイズの天体テイアが衝突して出来たとされています。
衝突によって粉々になったテイアの破片から月が形成され、その他の破片は地球と結合したと考えられています。
動画時間:3分17秒 国立天文台のシミュレーションです。
しかし、天体ティアとの衝突説にも問題点があり、このような大衝突では、地球上の水分は蒸発して無くなってしまうと考えられています。
下の動画は、少し長いですが、月形成の謎に関して、歴史的な諸説も含めて丁寧にわかりやすく解説しています。
もしご興味があれば、お時間がある時にご覧ください。
動画時間:10分26秒
さてさて、今日のトピックは、
月は今も暖かい! です。
NAOJ 国立天文台ニュース、2014年7月28日より
今も温かい月の中
~月マントル最深部における潮汐加熱~
中国地質大学などの研究者を中心とする国際共同研究チームは、月の地下深くに軟らかい層が存在すること、さらに、その層の中では地球の引力によって熱が効率的に生じていることを明らかにしました。
これらのことは、月の中が未だ冷え固まっていないこと、そして地球が月に及ぼす力によって月の中は今も温められ続けていることを示唆しています。
本研究成果は、月周回衛星「かぐや」などで精密に測られた月の形の変化を、理論的な計算による見積もりと比べることによって得られました。
どのようにすれば、遠方にある星の内部構造を知ることができるでしょう?
実は、外部から働く力による天体の変形の仕方を詳しく調べることで、天体の内部構造や状態を知る手がかりを得ることができます。
天体の形が他の天体の引力によって変化することを潮汐と呼びます。
潮汐によって天体が変形する度合は、天体の内部構造、特に天体の内部の硬さに依存します。
逆に言えば、天体の変形具合を調べることによって、目では直接見えない天体の内部を探ることができるのです。
地球の引力による月の変形の模式図
NAOJニュースよりお借りしました。
月も例外ではなく、潮汐力による月の形の変化から月の中を探ることができます。そこで研究チームは、どのような月の内部構造であれば観測された形の変わり方を説明できるのか、理論的な計算によって調べました。
研究チームは、月の深部の構造に着目しました。
かつてアポロ計画で取得された月の地震観測のデータに基づく、ある月の内部構造の解析結果によれば、月は大まかに、金属でできた「核」と呼ばれる内側の部分と、岩石でできた「マントル」と呼ばれる外側の部分の2つに分かれていると考えられています。
月のマントルの最下部に軟らかい層が存在すると仮定すれば、観測されている潮汐による月の変形を上手く解釈できることを研究チームは突き止めました。
本研究によって初めて、観測結果と理論計算から月のマントルの最深部が軟らかいことが証明されたのでした。
月内部構造の想像図
NAOJニュースよりお借りしました。
月内部の粘性構造の推定値
NAOJニュースよりお借りしました。
さらに研究チームは、マントル最深部の軟らかい層の中で潮汐によって効率的な発熱が起こっていることも明らかにしました。
一般に、潮汐の変形により天体の中に蓄えられるエネルギーは部分的に熱に変わっていると考えられています。
その発熱量は天体の中の軟らかさによって異なります。
興味深いことに、層の中の発熱がほぼ最大となるのは、計算と観測の比較から推定された軟らかさを仮定した場合だったそうです。
過去の研究でも、月の内部で潮汐の変形にともなうエネルギーの一部が熱に変わっていることは示唆されていました。
今回、このエネルギーの変換は月全体で均一ではなく軟らかい層の中のみ集中的に起こっていることが解ったのです。
研究チームは、このマントル最深部の効率的に発熱する軟らかい層が核を包むようにして存在していることから、現在でも核を温め続けていると考えているのです。
研究チームの一員であるJAXA宇宙科学研究所太陽系科学研究系の春山純一博士は本研究の意義について以下のように語っています。
「月のような小さな天体は地球のような大きな天体よりも速く冷えます。
実際、今までの研究から月が火山活動を既に終えていることも知られています。従って月は深い所まで冷めて固まってしまっていると考えられていました。
しかし本結果は、月が未だ冷え固まっていない生きた星であることを物語っています。
さらには、地球と月が生まれてからどのように力を及ぼし合いながら今に至ったのか、考え直さなければならないことを示しています。
つまり本結果は、単に月の深部の状態を解明しただけでなく、月と地球を共に含む系の歴史を知るためのヒントも与えてくれるでしょう。」
@DIMEよりお借りしました。
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潮汐作用というのは、星のエネルギーの源にもなっていたのですね。
そして、それによって、地球も流動する外核と強力な磁気圏を維持し、地球上の生命体を守ってきたのですね。
はい、今回は、ここまでです。
それじゃあ、またね。