はい! 奈央です。

 

私、ただいま、出張中でーす。

出張先のホテルで書いてまーす。

昨日、鉄精錬のことを書くといったのに、時間が無くなっちゃって、今回はひと時の休憩記事でーす。

 

 

最近、私が訪れたところは、「原」”ばる”と呼ぶところが多かったのです。たとえば、

 

宮原 (みやばる)

大原 (おおばる)

神武原 (こうたけばる)

どうして、「原」”ばる”って呼ぶんでしょうね。

このことについて、尚智庵さんがネットを使って調べておられたので、ご紹介します。

 

尚智庵さんのブログ

「~原」を「はる」「ばる」と読む地名 (shochian.com)

 

全国で99箇所あり、そのうち何と97箇所が九州・沖縄であった。以下に結果リストを示す。

 

「原」を”ばる”と読む名について

尚智庵HPよりお借りしました。

 

 福岡県  27 箇所
 佐賀県    2 箇所

 長崎県    2 箇所

 大分県  24 箇所

 熊本県  11 箇所
 宮崎県  14 箇所
 鹿児島県   9 箇所
 沖縄県    8 箇所
 その他    2 箇所(富山県)

 

*上記の結果は、あくまでネット検索で出てくる地名であって、それでは出てこない字、小字名では、もっとたくさんの地名があるようです。


 ご覧のように、九州・沖縄以外では、わずかに富山県に2箇所あるだけである。

富山県にある理由は不明(おそらく九州からの移住者が開いた新地などか)であるが、何にせよ、これだけ地域に偏在する地名パターンというのも珍しいのではないか。

しかし、佐賀や長崎、熊本中部・南部~鹿児島西部にかけてはほとんど存在しない

 

私は、ここまで読んではっ!としました。

以前、弥生の土器と鉄器を訪ねてシリーズでご紹介した二度の渡来人の歴史の地図ととても似ているように思ったからです。

 

日本列島の支石墓分布 

日本古代史ネットワークHPよりお借りしました。

頭骨から見た西北九州弥生人と渡来系弥生人の分布 

日本古代史ネットワークHPよりお借りしました。

尚智庵さんはさらに、この「~ばる」地名の語源について調べたことを紹介されています。

 

(1)韓国語・朝鮮語起源説

 韓国語で「原」を意味する言葉に「ボル」がある。

 地域の偏りから言って、九州の「~ばる・はる」の地名パターンはこの韓国語が半島から渡来した集団によってもたらされた。(日本国語大辞典など) 

 

(2)古日本語説    

 「墾る(はる)」が転じたもの。つまりは稲作のため開墾された場所を示す。
 または、「山間部から平野部に『張り出した』場所」を示す。(「『地名学』が解いた邪馬台国、楠原佑介著、徳間書店、2002年)
 「はるばる見晴らしが良い場所」という説もあるらしい。

 

(3)その他の説

 壱岐に多い「~触(ふれ)」という「村」を意味する地名が伝わったもの。
 

 マレー語の「バール」(街、ジョホール・バールなどの「バール」)が伝わったもの。

いろんな説があるんですね。


以上の各語源説を考慮した上で、尚智庵さんが考えられたことを以下に紹介します。

 

尚智庵さんの推測

(1)「~ばる・はる」地名は、稲作地帯に隣接する居住空間ではないか。

 

(2)居住空間であっても、狭い範囲に多くの「ばる・はる」が集中していることから、それぞれの「クニ」を構成する氏族の「館(やかた)」という意味を持つのではないか。

 

(3)線上に並んでいるのは、「クニ」の防衛ラインを形成しているのではないか。

 実際に、これらの「はる・ばる」の集落が成立した弥生時代は、「倭国大乱」の戦乱の時代であったことを忘れてはならない。重要な水田地帯を守るために、これらの集落は配置されていたと見るべきではないか。

 

(4)上記の地図で青丸で囲まれた部分は、それぞれ独立の「クニ」であるが、何らかの同盟関係にあったのではないか。「ばる・はる」地名はこの同盟関係にあった国々で共通したある地名の呼び方ではないのか。 

 飛躍するかもしれないが、この同盟は、魏志倭人伝に出てくる「女王国連合」ではないか。

 熊本中部・南部などに「~ばる・はる」地名が無いのは、この女王連合と対抗する狗奴国(くなこく)が支配していた地域だからではないのか。

 

(5)竹田市周辺や、都城、鹿屋周辺は、これまでの邪馬台国論議の中であまり取り上げられていないが、今回の「ばる・はる」分布調査の結果からみて、少なくとも魏志倭人伝に登場する旁国の一つではないのだろうか。
 

ねっ! 面白かったでしょ!ウインク

 

それじゃあ、明日こそ、なんとか、鉄の精錬の続きをご紹介しますね。

さあ、お仕事に出かけなくっちゃ!チュー

 

それじゃあ、またね。