はい! 奈央です。
虹ができるメカニズムについては、Web上にたくさんの解説があるので、いまさら・・・って感じなんですけど。
ほとんどの解説では、こんな感じで説明されています。
虹のでき方 ウェザーニュースHPよりお借りしました。
つまり、太陽光が水滴の中に入ったとき、プリズムのように光が分かれます。
これが、光の屈折による分光です。
プリズム
SMART DIYs HPよりお借りしました。
入射した光が水滴の中で反射して、再び、水滴の外に出てきて、私たちの目に虹として映る。
そんな感じの解説がほとんどですよね。
水滴中での屈折と反射
キャタライナー化学Q&Aよりお借りしました。
でも、上の図をよーく見てみると、
あれ? 違う色の光を見るためには、私たちは移動しなくっちゃならないじゃない?
そんな疑問が生まれてきます。
それで、さらにWeb上で探してみると、
ありました!
空中の違う位置にある別の水滴からの光が私たちの眼に届くから、虹となって見えるということが分かる図に出会うことができました。
虹の仕組み
健康&天気予報HPよりお借りしました。
ふつうはこれで 分かった!ってことになるんですけど、
私はさらに疑問がでてきました。
というのは・・・
光には干渉という現象があるのです。
下の図のように、干渉 (Interference) とは複数の波の重ね合わせによって新しい波形ができることです。
同じ波長を持つ波の場合、山と山が一致する(位相が合う)ように2つの波が重なり合うと、山の高さが2倍、あるいは谷の深さが2倍の波になって強め合うことになります。
一方、山と谷が重なり合う(位相が180度ずれる)と、逆に弱めあうことになるのです。
光の干渉
エスオーエルHPよりお借りしました。
下の図は、表面反射光と水滴内部から反射して戻ってきた光との干渉作用を示しています。
液層の厚みがd のままだと位相が揃って光が強め合うのですが、液層の厚みd が変わると、位相が揃わなくなってしまい、逆に弱めあうことになります。
光の干渉
TRIMN HPよりお借りしました。
同じような現象を、私たちは宝石のオパールで見ることができます。
下に、人工オパールとその構造を示しました。
人工オパール
石ころゲットHPよりお借りしました。
下の電子顕微鏡写真のように、サイズの揃った粒子が、綺麗に整然と並んでいます。
こんな綺麗に密に並べられた状態を最密充填と言います。
そうすると、オパールの中に入射した光が、屈折によって分光され、さらに、反射してきた同じ色(周波数)の光同士が強め合うように干渉して、虹色を発色します。
これを 構造色 といい、人工オパールの原理なのです。
人工オパールの(a)微構造と(b)発色原理
神奈川県立産業技術総合研究所HPよりお借りしました。
モルフォ蝶の鮮やかな色もまた、光の反射と干渉を利用した 構造色 なのです。
モルフォ蝶の構造色
東京理科大学理工学部吉岡研究室HPよりお借りしました。
つまり、太陽光を取り込み、屈折によって分光し、さらに反射させて、反射光同士の位相を揃えることによって、よりきれいな虹が生み出されるのです。
この現象が、
均一な大きさの水滴 によって、
より多くの水滴 によって、
配列したかのような、より均等に分布した水滴 によって、
達成され、
よりきれいにくっきりと見える虹となるのです。
次回は、消える反射光 についてお話ししたいと思います。
それじゃあ、またね。