さて、記事の内容に戻りましょう。
4月22日、国立天文台、アルマ望遠鏡などは、重力レンズ効果を使って、129億年前の暗く小さな銀河「RXCJ0600-z6」の観測に成功したと発表しました。
研究チームによれば、RXCJ0600-z6は回転しており、このような宇宙誕生からわずか9億年ほどの初期銀河が回転しているのが確認されたのはこれが初めてなんだそうです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210505/05/cypris11/8a/9c/j/o0799076814936878191.jpg?caw=800)
はい! 奈央です。
前回は、勝手な推測で 大気レンズ効果 なんて言葉を作っちゃいましたが、今回の 重力レンズ効果 はちゃんとした専門用語ですよ。
きっぱり!
さてさて、先月、面白い記事がネットに出ていましたので、紹介しますね。
129億年前の暗く小さな銀河の姿が重力レンズ効果により明らかになる
Microsoft News
アインシュタインの一般相対性理論は、時空が重力によって曲がることを予測しました。
光も時空に沿って進むので、質量の大きな物体の近くでは大きく曲げられます。
実際に、遠くにある天体の光が手前にある銀河などの重力で曲げられるのが「重力レンズ」という現象なのです。
特に、遠くの光がリング状になっている「アインシュタインリング」では、遠くの天体の形が拡大されたり、明るく見えたりするのです。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「アインシュタイン・リング」 National Geographic HPよりお借りしました。
さて、記事の内容に戻りましょう。
4月22日、国立天文台、アルマ望遠鏡などは、重力レンズ効果を使って、129億年前の暗く小さな銀河「RXCJ0600-z6」の観測に成功したと発表しました。
研究チームによれば、RXCJ0600-z6は回転しており、このような宇宙誕生からわずか9億年ほどの初期銀河が回転しているのが確認されたのはこれが初めてなんだそうです。
宇宙は今から138億年前にビックバンによって誕生しましたが、その数億年後には、小さな銀河がつくられ始めました。
この時期の銀河は暗く小さいために観測がとても難しいのです。
What is the Big Bang Theory? Phys Org HPよりお借りしました。
そこで、登場するのが重力レンズ効果です。
研究チームは、南米チリの標高5,000mの高地に建設され、2011年に科学観測を開始した巨大望遠鏡ALMA(アルマ)望遠鏡を使い、95時間かけて、このような重力レンズ効果が生じている33個の銀河団の中心部分を徹底的に調べたのです。
アルマ望遠鏡 国立天文台HPよりお借りしました。
その結果、宇宙が誕生してから9億年後の暗く小さな銀河「RXCJ0600-z6」の観測に成功しました。
その後の詳しい分析により、RXCJ0600-z6は、重力レンズ効果によって増光され、最大で約160倍にも拡大されていたことが解りました。
重力レンズ効果による分裂状態からの回復
ただ、その一方で、RXCJ0600-z6の姿は、重力レンズ効果によって、3つ以上に分裂してしまっていました。
そこで、研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡や南天天文台のVLT(Very Large Telescope)の観測データ、重力レンズ効果を精密に計算できる理論モデルなどを駆使して、ついにRXCJ0600-z6の本来の姿の復元(上図)に成功したのです。
地球の手前に ブラックホールが来たらどうなるかをシミュレートした図 数理科学美術館HPよりお借りしました。
重力レンズ効果!
アインシュタインさん 凄い理論を考え出したんですね。
これから宇宙はどんなことを私たちに見せてくれるのでしょうね。
とっても楽しみです。
それじゃあ、またね。