はい! 奈央です。
2020年4月6日、高さ450メートルの東京スカイツリー展望台の時間は地上よりも速く進んでいることを確かめたとする論文がネイチャーフォトニクス電子版で発表されました。
東京大学大学院の香取秀俊教授や理化学研究所の高本将男専任研究員らのグループは、2020年4月、重力がわずかに異なる東京スカイツリー展望台と地上階では、展望台のほうが1日当たり4ナノ秒速く進んでいることを確認したそうです。
東京スカイツリーを利用した可搬型光格子時計の実験の概要(香取秀俊東京大学教授提供)Science Portal HPよりお借りしました。
以前、私は次のようなブログを書きました。
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光格子時計が開く新たな世界
先に、一般相対性理論によると、重力が強いところでは時間がゆっくりと流れると書きました。
例えば、富士山の山頂では、7万年に1秒 時計が遅れます。
こんなわずかな遅れさえ、300億年に1秒の誤差で測れる時計があればちゃんと測定できるのです。
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アインシュタインが構築した一般相対性理論の法則によると、ブラックホールのような強い重力場では時空間がゆがみ、時間はゆっくりと進みます。
このような重力による時間の流れの違いは、100億年で1秒ずれる程度という極めて高精度な時計「光格子時計」によって地上でも観測できるようになってきたのです。
光格子の模式図(香取秀俊) 東京大学HPよりお借りしました。
光格子時計は、2001年に東大の香取教授がコンセプトを発表した日本発の技術なのです。
開発された光格子時計の外観 出典:理研、東京大学 EE Times Japan HPよりお借りしました。
香取教授は、ストロンチウムを使った光格子時計の開発に取り組み、2015年に10のマイナス18乗の精度を実証しました。
実験室サイズだった巨大な装置を持ち運びできるサイズまで小型化し、今回の東京スカイツリーでの実証につなげたそうなんです。
凄いですよね。