はい! 勝手にJAXA広報部 の奈央です。
ただいま私、ビタミンD を生合成中でーす。
さて、今回は、気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」です。
GCOM-C JAXA HPよりお借りしました。
GCOMは、宇宙から地球の環境変動を長期間に渡って、グローバルに観測することを目的とした人工衛星プロジェクトで、地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission)の英語略です。
このミッションの中で、大気や植生などに関わる観測を気候変動観測衛星「しきさい」 が担います。
*GCOM-C: Global Change Observation Mission-Climate
2020年8月11日、しきさいが観測した関東の地表面温度
関東の一番濃い赤の部分は約55度と非常に高温になっています。 JAXA HPよりお借りしました。
しきさい(GCOM-C)が目指すもの・・・
しきさいは、将来の気温上昇量の正確な予測に必要ながらも、科学的な理解が不足しているエアロゾル(大気中のチリやホコリなどの微粒子)が地表へ届く日射量に与える影響や生物による二酸化炭素の吸収能力をはじめとした、地球の気候形成に影響を及ぼしている様々な物理量を観測します。
これらを長期的に観測して、科学的理解を深めることで、将来の気候変動予測を精度を高めることを目的にしています。
地球の気候に影響する要因 JAXA HPよりお借りしました。
お時間のある方は、下の動画をご覧ください。
動画時間: 1分07秒
もう少し詳しいことが知りたい方は、こちらの動画をどうぞ。
動画時間: 10分01秒
しきさい(GCOM-C)に搭載されているセンサ・・・
気候変動観測衛星GCOM-C JAXA HPよりお借りしました。
多波長光学放射計(SGLI)
近紫外から熱赤外域(380nm~12µm)においてマルチバンド観測を行う光学放射計です。
太陽電池パドル
軌道上において太陽光を電気エネルギーに変換し、衛星に必要となる電力を供給します。
しきさいが観測・撮影した画像をいくつかお見せしますね。
全て、JAXAのHPよりお借りしたものです。
真夏の関東の地表面温度は最初にお見せしましたよね。
次は、しきさいが観測したオホーツク海の流氷です。
2020年2月8日、北海道 紋別に流氷が接岸した状況です。
流氷が、樺太沖のオホーツク海から紋別に向かって伸びていく状況が良く見えますね。
人間の眼では、雲も氷も白く見えますが、しきさいの短波長赤外の眼を使うと、氷が黄土色に見えています。
次は、2018年8月1日の10:40頃に観測された関東~近畿にかけての地表面温度です。東京、名古屋、大阪だけでなく、甲府盆地、伊那盆地、松本盆地、長野盆地も真っ赤ですね。
次は、2018年11月15日の瀬戸内海のクロロフィルa濃度です。
クロロフィルa濃度は、多くの植物プランクトンが持つ光合成色素で、海洋生態系の食物連鎖を支える基礎生産に関わります。
しきさいの全球観測により、全球規模の海洋生態系の変動監視だけでなく、瀬戸内海のような特定領域スケールの漁場予測や赤潮発生状況の把握等の利用も期待されるそうです。
以上のような、国内の特定地域から全世界に及ぶしきさいの観測データが、今年の12月20日よりJAXAの地球観測衛星データ提供システム(G-portal:https://gportal.jaxa.jp/gpr)を通じて提供が開始されました。
興味ある方はどうぞアクセスされてみてください。
それじゃ次は、 地球の水循環の変動を監視する目 しずく を紹介します。
じゃあ、またね。
かなり、ビタミンDが蓄えられたみたい。
(marine: 日焼け止めクリーム塗ってたら無理じゃない?)
?!・・・