はい! 奈央です。
以前のブログで、星の自転の紹介をしました。
今回は、惑星の公転の紹介をいたします。
恒星の周りをとても早く回る星と逆に遅く回る星を紹介しますね。
先ずは、私たちの太陽系からです。
![びっくり](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/014.png)
![チュー](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/008.png)
太陽系惑星の自転周期公転周期 空・殻・核 (くうからかく)HPよりお借りしました。
外側の軌道ほど長くなるので、当然と言えば当然ですね。
それだったら、速度で比較したらどうでしょう?
結果は下の図の通り!
やはり、太陽から遠くなるにつれて、公転速度が遅くなることが分かりました。
太陽系の惑星の公転速度v 東海大学理学部 安江正樹名誉教授資料よりお借りしました。
ところで、公転軌道って何によって決まるのでしょうね。
それは、太陽が引き付けようとする引力
と、太陽から逃げようとする遠心力
が均衡した地点が公転軌道ということになります。
さて、それでは、太陽系を飛び出して、宇宙を眺めてみましょうか。
太陽以外の恒星を公転する系外惑星はこれまでに4000個以上発見されており、そのなかには公転周期が1日未満という超短周期の惑星もあるそうです。
そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
これまでに発見された系外惑星の質量・半径と公転周期 Astro Arts HPよりお借りしました。
超高速で公転する惑星
英ウォーリック大などの研究チームが、地球から約1000光年離れた恒星のすぐそばで、公転周期が約18時間半、つまり、1年が18時間半しかない木星型のガス惑星を発見したと英王立天文学会月報に発表しました。
恒星に近くて熱い木星型のガス惑星で、「ホット・ジュピター」と呼ばれます。
地球から約1000光年離れた恒星の周りを回るガス惑星(画面中央右側)の想像図 jiji.com HPよりお借りしました。
研究チームは南米チリの高地にある欧州南天天文台の施設に設置された太陽系外惑星専用の望遠鏡群「次世代トランジット・サーベイ(NGTS)」を使用して観察しました。
惑星が公転して恒星の手前を横切る際、恒星の明るさが周期的に暗くなる現象を観測する「トランジット法」で、この木星型ガス惑星「NGTS―10b」を発見したのだそうです。
この惑星の大きさは木星の1.2倍、質量は2倍超で、恒星との間の距離は地球―太陽間の1.4%程度と非常に近い距離だと推定されました。
恒星の方は、太陽に比べ、大きさ、質量とも7割程度で、年齢は約100億年とみられ、太陽の2倍超も長い星だそうです。
1年が18時間半なんて、あっという間ですね。
さてさて、もっと1年が短い惑星もありましたよ。
現在発見されている恒星の周りを公転している太陽系外惑星の中で最も公転周期が短いものとしては、k2-137 bという惑星があります。
太陽系から310光年ほど離れたところにあるK2-137という恒星を公転するK2-137 bという惑星です。
K2-137 b (exoplanetkyoto.org) よりお借りしました。
このK2-137 bは地球の89%ほどの半径しか持たないかなり小さい惑星です。
そして恒星であるK2-137との距離が、なんとわずか87万㎞ほどしか離れていないそうです。
これは水星の軌道の1.5%分しか離れていないんだそうです。
地球と月の距離が38万4千kmですから、太陽にそんなに近いなんて考えられませんね。
そして、肝心のK2-137の公転周期ですが、
なんと、わずか 4時間18分 だそうです。
つまり、この惑星では1年がたったの4時間ちょっとで終わってしまうってことですね。
それじゃ、次は逆にゆっくりと回る星を紹介しますね。
8万年もかけて1周する惑星
カナダ・モントリオール大学の研究チームが、155光年彼方のうお座GU星を8万年という長い周期でめぐる巨大ガス惑星b(GU Psc b)を発見しました。
この惑星の質量は木星のおよそ9~13倍と推定されています。
うお座GU星と、遠く離れた惑星b(GU Psc b)。チリのジェミニ南望遠鏡および米・ハワイのCFHT望遠鏡の可視光と赤外線データ(赤)を合成 AstroArts HPよりお借りしました。
恒星であるうお座GU星(GU Psc A)は、太陽の3分の1の重さを持つ変光星で、生まれて1億年程度の若い星のグループ「かじき座AB運動星団」の仲間であることが判明しています。
若い星は、惑星もまだ暖かくて、赤外線で観測しやすいのです。そのため、直接撮像での発見に繋がったそうです。
発表者の1人Etienne Artigauさんは、次のように行っています。
「この惑星は自然からの贈り物です。恒星と離れているのであらゆる機器で詳しく調査がしやすく、そこから巨大ガス惑星全般についての理解が進むでしょう」。
贈り物だなんて、天文学者ってロマンチストですね。
それじゃあ、またね。