はい！ 奈央です。
現在、実際に使っている グレゴリオ暦 まで来たんだから、もういいんじゃない？
なーんてコメントをいただきそうですが、最後に付け足しです。
グレゴリオ暦よりももっと真の太陽の運行に近い暦を使っている 暦先進国？ があるんだそうです。
それは、 ギリシャ の ギリシャ暦
もう一つは、 東方正教会 の 修正ユリウス暦
さらに、グレゴリオ暦って、ローマの王様や皇帝がいろいろといじくって複雑化しているので、もっと合理的な暦を作ろうっていう動きがありました。それが 世界暦 の制定の動きでした。
まずはおさらいで、グレゴリオ暦の但し書きの部分はこうでした。
「西暦年が４で割り切れる年を閏年とする。
ただし、西暦年が１００で割り切れても、400で割り切れない年は平年とする。
閏日は2月29日とする。」
これで、3,125年間にたった1日のずれが生じるだけ！ って紹介しました。
では、暦先進国 の暦ってどんなのでしょうね。
ギリシャ歴：
ギリシャは、一般には1924年にグレゴリオ暦に改めたと言われていますが、グレゴリオ暦をそのまま採用したわけではないそうです。
ギリシャ暦では、但し書きの部分が少し異なります。
「西暦年が４で割り切れる年を閏年とする。
ただし、西暦年が１００で割り切れるとき、９００で割って余りが２００または７００になる年のみを閏年とし、他は平年とする。」
なんだか複雑になりましたね。
要するに、９００年の内に７回、閏年を無くしましょう！ と言っているのですね。
グレゴリオ暦の場合が、４００年の内に３回、閏年を無くしましょうと言っているので、ほんのわずかの違いですね。
でもこれがどんな違いを生むのでしょうか？
11分１５．６４８秒 ｘ ９００年 － （24時間 X ７日｝＝ ５４．７２分
なんと！ 太陽の動きとのずれは、２３,６８４年間に１日だけということになります。
修正ユリウス暦：
１９２３年、セルビアの地球物理学者ミランコヴィッチによって提案された暦で、コンスタンディヌーポリ総主教庁、アレクサンドリア総主教庁、アンティオキア総主教庁、キプロス正教会、ルーマニア正教会、ポーランド正教会、ブルガリア正教会などの東方正教会が採用している暦だそうです。
ミルティン・ミランコビッチ さまようブログHPよりお借りしました。
これも但し書きの部分が少し異なります。
「西暦年が４で割り切れる年を閏年とする。
ただし、西暦年が１００で割り切れるとき、９００で割って余りが２００または６００になる年のみを閏年とし、他は平年とする。」
この但し書きからすれば、基本的にギリシャ暦と修正ユリウス暦は同じですね。
つまり、太陽の動きとのずれは、２３,６８４年間に１日だけということになります。
実際はどんな違いがあるのでしょうか？
グレゴリオ暦とギリシャ暦、そして修正ユリウス暦との間で、今後、いつ違いが生じるのかを見てみましょう。
下の表のように、グレゴリオ暦とギリシャ暦では、西暦２４００年の ３月１日⇔２月２９日 から、
グレゴリオ暦と修正ユリウス暦とでは、西暦２８００年の ２月２９日⇔３月１日 からですね。
私たちが生きている間は違いは生まれないですね。
世界暦 制定の動き
世界暦の原型は、1834年、イタリアの修道士マルコ・マストロフィニによって考案された「固定暦」だそうです。
マストロフィニは、グレゴリオ暦の曜日が年ごとに変わるのを不便に思い、次のような案を考えました。
1月1日を日曜日に固定
12月31日から曜日を取り除いて余日
月も曜日もない閏日を余日の翌日に付加
これで、毎年の同じ日付が常に同じ曜日になる！ と考えたのです。
マルコ・マストロフィニ Marco Mastrofini Wikipedia HPよりお借りしました。
そして、1930年10月21日、アメリカのエリザベス・アケリス が世界暦協会 (The World Calendar Association) を設立し、彼女によってこの暦法が「世界暦」と名づけられたのです。
エリザベス・アケリス Elizabeth Achelis
Home Page for Calender Reformよりお借りしました。
世界暦協会は、1961年から世界暦に改暦するよう、カトリック教会を統括するバチカンの公認を受けたり、国際連盟やその後身の国際連合に何度も働きかけたりし、ついに国連の理事会で改暦が提案されることになったのです。
しかし、1955年、アメリカ合衆国の反対によって議題が無期延期となったため、世界暦改暦運動は下火になってしまいました。
1973年、アケリスが亡くなると世界暦協会も自然消滅してしまったのです。
ただし現在でも、国際世界暦協会 (The World Calendar Association) という名前の団体が存在しており、ウェブ上で世界暦改暦運動を展開しています。
より正確な暦、より合理的な暦
果たしてどんな暦が究極の理想的な暦なんでしょうね？
私は歴史がいっぱい詰まった宝箱のような今の暦が好きですけどね。
これで、”月”にまつわるエトセトラは終了します。
次からは、”年”にまつわるエトセトラを始めます。
でもその前に、少しの間、奈央の旅日記 と ランチな日々 を紹介させてくださいね。
それじゃあ、またね。
