はい! 奈央です。

2020年の正月除夜の鐘を聞きながら、家族で初詣に行きました。

その時、夜空に輝く冬の大三角を見つけました

すると、どういうことでしょうか。

大三角の頂点の一つ オリオンの肩に輝く一等星ベテルギウスがその赤い輝きを無くしかけているのです。

 

冬の大三角 どこから見ても三角形・・・おおづち島HPよりおかりしました。

 

ベテルギウス(Betelgeuse)は、オリオン座α星です。

おおいぬ座シリウスこいぬ座プロキオンとともに、冬の大三角を形成しています。

 

ベテルギウスは、太陽の800倍もの大きさを誇る赤色超巨星です。

また、星自体の形状が変化する脈動変光星です。

ペテルギウスの大きさ TAKUMI STAR HPよりお借りしました。

 

これらの特徴から、ベテルギウスは、主系列星を終えた進化段階にあると考えられています。

ヘルツシュプルング・ラッセル図 宇宙情報センターHPよりお借りしました。

 

最近、このベテルギウスの話題がWEB上で賑やかです。

例えば、CNN Newsで こんなタイトルのトピックを見つけました。

 

オリオン座のベテルギウスに異変、超新星爆発の前兆か!

               米ビラノバ大学のエド・ガイナン教授

冬の夜空に赤く輝くオリオン座ベテルギウスが、昨年の10月以降過去数カ月で急激に明るさを失っていることが観測された。

一時期は9番目に明るい星だったベテルギウスが、現在は通常時の2.5分の1程度の明るさで、夜空の星の中で23番目前後の順位に下がった。

天文学者らは超新星爆発を起こす前触れの可能性があると指摘している。

 


ペテルギウスの状況

 

ベテルギウス主系列星の段階に入ったのは約1000万年前と推定されています。

太陽の約20倍も質量の大きなベテルギウスは、核融合反応が激しく進行するため短命な一生となります。

さらに、赤色超巨星として脈動変光するほど不安定であることから、超新星爆発を起こすことが予測されているのです。

 

最新のALMA望遠鏡観測でも、ベテルギウス変形している事が確認されています。

これは、ガスが恒星表面から流出し表面温度が不均一になるなど、星自体が不安定な状態にあることを意味しています。

ALMA-Image-of-Nearby-Star-Betelgeuse Sci Tech Daily HPよりお借りしました。

 

2019年ビラノバ大学での12月の観測から、10月時点に比べて明るさが半分になり、全天で最も明るい星の21位にまで下がったと報告されています。

しかしながら、これらの観測結果が直ちにベテルギウスの超新星爆発の前兆現象を示しているかは定かではないとのことです。

 

超新星爆発の地球への影響の予測

 

ベテルギウスほど地球から近い距離(640光年超新星爆発するのは前例のないことなのだそうです。

今まで観測された7回の超新星爆発の内、最も地球に近い爆発であるかに星雲でも、10倍は離れていた6,500光年なのです。

ベテルギウス超新星爆発 英孝塾HPよりお借りしました。

 

ベテルギウス超新星爆発をする際には、地球にも何らかの影響を及ぼす可能性が考えられてきました。

それは、超新星爆発によって発せられるガンマ線により、オゾン層が傷つき穴が空くか消滅し、地球および生命体へ有害な宇宙線が多量に降り注ぐと考えられるからです。

 

しかし近年の研究により、超新星爆発の際のガンマ線放出については、恒星の自転軸から 2°の範囲で指向性があることがわかってきています。

NASAのハッブル宇宙望遠鏡でベテルギウスの自転が観測された結果、ベテルギウスの自転軸は地球から 20°ずれておりガンマ線バーストが直撃する心配は無いとされました。

 

ただし、超新星爆発時のかなり大きな質量変動とそれに伴う自転軸の変化が予想できないことなどから、ガンマ線バースト直撃の可能性について確実なことは未だ明らかでないようです。

 

 

オリオン座の肩に輝いているベテルギウスが、最後の輝きを放つ瞬間をどのようにして見ればいいのでしょうか。

 

それじゃあ、またね。