お久しぶりです。 仮装研の女 ナオ でーす。

もう12月ですよー。

今年もあと1か月で終わり!

皆さん、お仕事に忘年会にお忙しいでしょうね

年末と言えば大掃除!

ナオもそろそろ研究室(奈央のお城)を大掃除しなくっちゃ!

ところで、大掃除するときって、いろんなグッズがありますよね

そんなグッズの多くには、こんな表示があります

除菌” ”抗菌” 

これってどういうことなのかな?

他に、”殺菌” とか、”滅菌”とか、”消毒”なんてのもあるわね

マーリンさんに聞いてみよ!

 

ナオ: マーリンさーん。

 

マーリン: なんじゃ? 呼んだか?

ナオ: ね、ね。 最近、”除菌”とか”抗菌”とか、よく目にするんだけど、これってどういうことなの? 

殺菌”と違うの?

 

マーリン: そうじゃな。それは、この人に聞くのが一番じゃな。

  おーい! ヒデヨ!

 

ヒデヨ: あ!マーリンさん。お久しぶりです。

  何か御用ですか?

ナオ: あ! 千円札のおじさんだ!

 

ヒデヨ: ん! (ため口の姉ちゃんだな。)

 

マーリン: このナオがじゃな。”除菌”とか”抗菌”とかのことを知りたいそうなんじゃ。教えてやってくれ。

 

ヒデヨ: そうですか。 良いですよ。

 

ナオ: ありがとうございまーす。

さっそくですけど、”除菌”と”抗菌”の”殺菌”との違いを教えて!

 

ヒデヨ: いいですよ! (やっぱり、ため口姉ちゃんだ。)

 

 

ヒデヨ: まず、”除菌”というのは、微生物の数を減らし、清浄度を高めることをいうとされています。

 また、”抗菌”とは、菌の繁殖を防止するという意味です。経済産業省の定義では、抗菌の対象を細菌(バクテリア)のみとしていて、カビなんかは含みません

 

ナオ: ん? ばい菌をみんなやっつけちゃうんじゃないの?

ヒデヨ: そうですよ。 除菌って書いてある商品の裏側を見てごらん。たいてい、すべての菌を除菌できるわけではありません。って小さい字で書いてありますよ。

 

ナオ え? そうなのお? それって、良いのー?

 

ヒデヨ: 一方、医薬品や医薬用部外品で使用される”殺菌”というのは、これは、文字通り菌を殺すという意味ですが、この用語には、殺す対象や殺した程度を含んではいません。このため、その一部を殺しただけでも殺菌といえる、とも解されていますね。

 

ナオ ショ、ショック‐!

ナオ ばい菌をぜーんぶ失くしちゃうことってできないの?

 

ヒデヨ: すべての菌(微生物やウイルスなど)を、死滅させ除去することを滅菌って言いますね。日本薬局方では「微生物の生存する確率が 100万分の1以下になることをもって滅菌」と定義していますね。

 

ナオ ね、ね、わたし、アルコール消毒っていうのをするんだけど、あれでばい菌はかなりいなくなるんでしょ?

 

ヒデヨ: ”消毒”っていうのは、「病原性微生物を、死滅または除去させ、害のない程度まで減らしたり、あるいは感染力を失わせるなどして、毒性を無力化させること」をいいますね。

 

ナオ ね、ね、それって、ばい菌を全部やっつけちゃうこともできるってことよね!

ヒデヨ: うーん、菌類を全部死滅させることを”滅菌っていうんですけど、そのためにはこんな方法が必要なんですよ。

 

高圧蒸気滅菌

 例えば、121℃(約2気圧)の高温水蒸気で、20分間処理

乾熱滅菌

 例えば、180~200℃の乾燥空気で、0.5~1時間処理

火炎滅菌

 バーナーの炎の中で、数秒間処理

煮沸消毒

 沸騰水中に沈めて、15分間以上処理

EOG滅菌

 酸化エチレンガス(ちなみに毒ガスです)の中で、滅菌処理

放射線滅菌

 放射線(ガンマ線)で、処理

 

ナオ: どの方法でも、私、死んじゃうじゃない!!

ヒデヨ: だって、人間も微生物の集合体みたいなもんですからね

微生物をやっつけるっていうのは、細胞をやっつけるってことなんですよ。

 

ナオ: じゃあ、私たち、いつもどうやって気を付けたらいいの?

 

ヒデヨ: 無理にばい菌をやっつけるのはやめた方がいいね。だって、人間はお腹の中に数兆ともいわれる腸内細菌群がいるからこそ、元気で生きていられるんですからね。

 怖いのは病原性微生物やウィルスですね。

基本は、普段から抵抗力を養うことかな。やっぱり。

 

ナオ: それと、病気になって熱がでそうだったら、すぐお薬よね。

 

ヒデヨ: それはそうだけど、人間にとって一番怖いウィルスなんかは、人間の生体条件に適合しているから、37℃という温度はとっても過ごしやすい温度なんです。これが、少しでも温度が上がると、病原性を失ってしまったりするんですよ

 だから、熱が出るっていうのは、人間の体が自分自身で発熱して、侵入してきたウィルスと闘っている証拠なんですよ。

 だから、熱が出ているときは、「私、頑張れー!」って応援してあげようよ。

 ちょっとした熱でもすぐにお薬に頼るようになるのは、あんまりお勧めできないな。

 

ナオ: そうなの? 熱が出るっていうのは、私が頑張っている証拠なの? じゃあ、どんなに頭がガンガンするときでも解熱剤を飲んじゃダメなの?

 

ヒデヨ: いやいや、そこまで頑張らなくてもいいですよ。そんな時は、お薬やお医者さまと協力し合って、早く良くなってください。

 

ナオ: はーい! わかりました。 ヒデヨ先生。

 

ナオ: わたし、年末大掃除に向けて、大量の除菌ウェットティッシュなんかをいっぱーい買い込んだのよね。

どうしましょ?

ネット販売で年末大売り出しセールでもしようかしら。

 

マーリン: アホー! そんなことより、早く部屋を片付けなさーい! 散らかり放題じゃろうが!!

ナオ: え? マーリンさん、私の部屋を覗いたの? 

 うっそー! のぞき魔ー!

 でも、しょうがないわね。

 少しずつでもお掃除しようっと。

 

じゃあ、またね。