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『アナログ力のすゝめ 結果を出す人がやっているアナログ仕事術』出版

 
ちょいよしNO.3015
予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される、困ったことには存在さえ否定される
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

  目次

 

SIDE1 アムロ:若手を即戦力に仕立てる秘策
SIDE2 ブライト:部下の長所を最大限に引き出す技術
SIDE3 クルーたち:最強のチームをまとめ上げる求心力
SIDE4 シャア:赤い彗星に学ぶ、英雄の失敗学
SIDE5 ジオン公国:組織を内側から崩壊させる落とし穴
SIDE6 ジオン公国軍:勝利を逃す「失速上司」の条件
SIDE7 赤い彗星:再び、煌めくために…

 

 

  日本の後退はシャアそのもの?!

 

本書は2011年3月初版の本です。

その時代にあって、日本の閉塞感や無力感が、シャアがアムロ(すなわちガンダム)の登場によって輝きを失った状態と似ているとしています。

〝赤い彗星〟が輝きを失ってしまった理由、対して〝白いやつ〟ガンダムが輝いくていく理由、アムロの成長の秘訣、ジオン軍の敗退と連邦軍の勝利の理由を知ることは、赤い彗星に等しい現代の人たちが再び煌めくきっかけを掴むことにつながると本書はいいます。

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「赤い彗星シャア」とは、長引く不況や他国の経済的台頭によって、解決策の見えない閉塞感に苛まれている日本という国、そして企業、私たちの分身ではないかと思われる(P.3)

 

 

さて、本書を通じて〝落ち目のシャア〟には、かなり辛辣な評価がされています。

「おわりに」の部分でようやく、そのフォローがされているのですが、シャア好きな方はその部分から読んだほうが良さそうです。

でないと、ムカムカしっぱなしで消化不良になるかもしれません…爆  笑

 

 

  予期せぬ成功

 

本書で一番おもしろかったのはSIDE3(第3章)でした。

この章は、「イノベーションと企業家精神」より抜粋したドラッカーの言葉とともに始まります。

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予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される、困ったことには存在さえ否定される(P.102)

 

 

第1話で、素人のアムロが、最新式モビルスーツであるガンダムを驚くほどうまく操縦して相手を撃退したことは、連邦軍にとっては「予期せぬ成功」でした。

それがあって、サイド7(月周回軌道をまわるスペースコロニー)から脱出することができたホワイトベースの一行は、赤い彗星シャアの追撃を何とかかわして、命からがらルナツー(連邦軍の宇宙要塞)にたどり着きます。

しかし、そこにいた上官は、その成功を否定し、ホワイトベースを没収、ガンダムを封印して、クルー全員を軍法会議にかけようとしました。

軍人はほぼ全滅、生き残っているのは士官候補生のブライト(艦長となる)とパイロット候補生のリュウの2人だけ、残りはすべて民間人という「予期せぬ成功」を認めなかったのです。

 

  同じことが会社でも…

 

以下は、後学のために本書の解説をメモしておきます。

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ドラッカーはもうひとつ、それまで拠りどころとなる「主たる考え方」に反して成功した存在に対しては、その「主たる考え方」を支持している側からすれば、「不愉快な気持ち、あるいは腹が立つ存在」とまで述べています(P.104)

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長年、会社の主力商品を販売して実績を上げているベテランほど、脇役に位置する商品を多数販売して同一レベルの売上実績を上げる若手に対し、「正しい販売方法ではない」と心理的に強く否定する傾向がある(P.104)

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「若手の予期せぬ成功」は、文字通り過去を否定されている気がして、「納得がいかない不愉快なこと」なのでしょう(P.106)

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しかし、この会社の経営陣は賢明でした。若手営業マンが脇役商品を多数販売することに注目し、その商品を別の新ブランドと新組織に再構築したのです。結果、新ブランドは主力商品と同じ勢いをもつほどの、売上の2本柱にまで成長しました(P.106)

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ドラッカーは、「予期せぬ成功」は「機会であると同時に取り上げられるべきだという意味で要求でもある」と述べています(P.107)

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「予期せぬ成功」は機会であり、イノベーションのきっかけを与えてくれる貴重なものです(P.107)

 

 

  今日のちょいよし

 

予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される、困ったことには存在さえ否定される