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『アナログ力のすゝめ 結果を出す人がやっているアナログ仕事術』出版

 

ちょいよしNO.2993
誤解が生まれるのは、論旨があいまいだったり、意見を理解するのに十分な情報が話してから提供されていなかったりするからです。そうすると、足りない知識を埋めようと聞き手が自分の知識で勝手に解釈してしまい、誤解のもとになります

 

 

今日のちょいよし本

 

2008年11月26日第16刷発行

 

Amazon紹介

 

組織のパワーを引き出し、すぐれた問題解決に導く技術がファシリテーションです。(1)成果に至る時間を短縮する、(2)チームの相乗効果を生む、(3)メンバーの自律性を育む、といった効果が得られます。会議運営、プロジェクト推進、組織変革、合意形成、教育学習など、幅広い領域で活用できます。本書では、会議運営とプロジェクト推進に焦点を当てて、「場のデザイン」「対人関係」「議論の構造化」「合意形成」の4つの基本スキルを解説します。 

 

 

目次

 

第1章 脚光を浴びるファシリテーションの技術
第2章 応用が広がるファシリテーションの世界
第3章 場のデザインのスキル――場をつくり、つなげる
第4章 対人関係のスキル――受け止め、引き出す
第5章 構造化のスキル――かみ合わせ、整理する
第6章 合意形成のスキル――まとめて、分かち合う
第7章 ファシリテーションの実践に向けて

 

 

来年度の準備として…

 

今の仕事、部署のスキルアップのため、まずは復習からと考えて買い求めました。

今は研修会の企画・運営をしていますが、今年度に予定していたものがすべて終了したので、次年度の準備を始めています。

今の部署に着任して5か月半、この間に課題として捉えてきたことを、第四半期にできるだけ解消して新年度に臨みたいと思っています。

(仕事の話ですみません…)

 

本書は、ファシリテーションの入門書として、とてもよく売れている本で、2004年7月に初版を刊行し、4年で第16版となっています。

現在、それからさらに11年経っていますから、どれほどの版をかさねているのでしょうね。

 

 

そうか、一方だけだったんだ…

 

さて、本書を読んでいて気が付いたのは、今、部署の現状は「対人スキル」に偏重してしまっているということ。

誤解を恐れずに言えば、ファシリテーションは「対人スキル」「プロセス・デザイン力」で成り立っています。

(本書はこの他に、会場選びから椅子や机の配置、などの空間的な「場のデザイン」にも触れていますが、ココでは大前提として触れません)

「対人スキル」とは、よく言われる傾聴スキルのことで「オウム返し」や「ペーシング」「うなずき」といった類のもの。

そして「プロセス・デザイン力」とは、議論のプロセスのデザインであり、構造のこと。

 

話し合いが目的に至るまでのステップ(各段階)をきちんと組むことが大切で、その構造の種類を知らなければ、目的と段階(構造)をマッチさせることができない。

ここがマッチしていないと、研修の参加者が議論の目的や方向がわからなくなってしまい、迷子(戸惑うこと)になってしまいます。

 

 

 

5つのプロセス・デザイン

 

本書は、ファシリテーターとは、「会議のプロセスを舵とりする人」であると言います。

舵とりするためには、「プロセス・デザイン」を知っておいたほうがよく、その種類として本書は5つ紹介しています。

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①起承転結型プロセス

②発散・収束型プロセス

③ダイアログとディスカッション

④問題解決型プロセス

⑤体験学習型プロセス

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それぞれの詳細は本書をぜひ読んでもらうことにして、特に「②発散・収束型プロセス」については、大共感でした。

よく「ブレインストーミング」と「KJ法」がごっちゃになっている人が多く、前者は「発法(アイデア出し)」で、後者は「収法(アイデアまとめ)」ですから、分けて実施しなければならないのに、同時にやってしまうのです。

例えば、幅広いジャンルのアイデアを出しましょうと「ブレインストーミング」を始めたのに、議論の終わり(結果)を予想して、これはこのジャンル、これはこっちとまとめていって(KJ法)しまうのです。

これだと思考が抑制されて、いいアイデアは出てきません。

ちなみに、「ブレインストーミング」の4大原則は「①自由奔放」「②質より量」「③批判厳禁」「④付け足し歓迎」です。

 

話はずれましたが、ココで言いたかったのは「プロセス・デザイン」の大切さです。

上の5つを知っておくだけも、かなりのレベルアップが見込まれます。

 

 

次に勉強すべきは…

 

閑話休題。

研修で行うグループワークにおいて、そのメンバー構成がとても大事。

本書も次のように言います。

一般的に、同質の人間が集まるチームでは、意思決定は早くなるものの、創造的な愛出が出にくくなるといわれています(P.79)

逆に、異質な人間の集まるチームでは、合意形成に時間を要するものの、多面的な角度から課題が検討でき、創造的なアイデアがでやすくなります(P.79)

 

そのため、メンバー構成を考えるときは、「エニアグラム」の9つの性格タイプ(改革する人・助ける人・達成する人・個性的な人・調べる人・忠実な人・熱中する人・挑戦する人・平和をもたらす人)、や「交流分析(TA)」「ハーマンモデル(人間の脳機能)」「コーチングの4つのタイプ」(コントローラー・サポーター・アナライザー・プロモーター)といった分類を活用すればいいと気づかされます。

 

これらを参加申し込みの時に「事前アンケート」形式に回答してもらって、そっから得た分類でメンバー組をするのも面白いと思います。

 

ココまで来ると、次に勉強するテーマが決まりました。

「エニアグラムの9つの性格」ですね!

 

 

今日のちょいよし

 

誤解が生まれるのは、論旨があいまいだったり、意見を理解するのに十分な情報が話してから提供されていなかったりするからです。そうすると、足りない知識を埋めようと聞き手が自分の知識で勝手に解釈してしまい、誤解のもとになります(P.125)

 

 

相手の誤解や偏見には2つの原因があると言ってもよさそうです。

一つは、本書が言うように「話手から十分な情報が提供されていない場合」

もう一つは、「聞き手の語彙力が低い場合」です。

語彙力が低いと、言葉の塩梅がわからず、自分の知っている別の言葉で解釈をするため、正しく伝わっていないという状態が起こります。

 

最後に、本書は前者を解消するために、5つのキーワードとその解説を載せていくれています。

解説は本書を手に取っていただくとして、キーワードのみメモしておこうと思います。

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①テーマを明らかにする

②前提となる事実を明確にする

③事実と意見を切り分ける

④言葉の定義を明確にする

⑤暗黙の価値観を明らかにする(本人が当たり前だと思っている価値観)

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