ミグの話 part 2:イヌのケンカ | cynthia-dr-murazumiのブログ

cynthia-dr-murazumiのブログ

ブログの説明を入力します。

ミグの話の続きです。

「まだ続ける気か?見苦しいぞ!」とか言わないでくださいね。

下手なダジャレは止めにして本題に入りますが、軍事に興味のある方のみお読みください。

 

今回は空戦史の話です。

史上初のジェット戦闘機同士の「ドッグファイト」が行われたのは、朝鮮戦争下の1950年11月のことでした。共産側のソ連製の新鋭機MiG-15と米空軍F-80C シューティングスターが空中戦を展開したのです。

 

MiG-15:1/48スケール模型のボックスアート

F-80C:1/48スケール模型のボックスアート

 

MiG-15の最初の空中戦は国共内戦からであり、1950年4月に八路軍を支援するソ連のMiG-15が中国国民党軍のP-38ライトニング(双発のレシプロ戦闘機)を撃墜したのです。ジェット戦闘機を相手にしたのは朝鮮戦争が初めてでした。

 

P-38を攻撃するMiG-15をイメージした1/72スケール模型のボックスアート

 

ジェット戦闘機同士の空中戦は、性能はMiG-15が上でしたが、交戦中にオーバーシュートしたため、F-80Cに撃墜されるなどして敗れました。

 

<注>ドッグファイト

   戦闘機の近接戦闘では相手を追尾する態勢が有利であり、その姿が犬同士が尻尾を追いか

   け合う姿に似ていることに由来する。

   米海軍が1970年代に創設したドッグファイトを専門に教育する機関が「トップガン」。

<注>オーバーシュート

   何らかの調節・操作を行う際、操作量が大きくなりすぎて過剰な応答が生じる事。

   ドッグファイトにおける攻撃時では判断・操作ミスによるオーバーシュートが多発する。

 

太平洋戦中に日本本土を焦土と化したB-29爆撃機は、朝鮮戦争にも使用されましたが、MiG-15の強力な37 mm機関砲によって多数が撃墜され、中国軍参戦数ヵ月後の1951年に入ると昼間爆撃任務から除外されています。米空軍は急遽、最新鋭のF-86Aセイバーを投入し、制空権の回復に努めたのです。

 

B-29を攻撃しようとするMiG-15をイメージした1/72スケール模型のボックスアート

 

F-80は第二次世界大戦末期の1945年2月に部隊配備された米軍初の実用ジェット戦闘機です。陸軍航空隊時代だったので、P-80と呼称されていましたが、1948年に空軍が分離発足したため、F-80に改称されていました。朝鮮戦争時には旧式化しつつあったため、MiG-15とは初戦のみで、以降は米空軍の新鋭機F-86A セイバーに役目を託したのでした。なお、MiG-15と戦ったF-80Cは戦闘爆撃機型でした。

 

F-86F:1/72スケール模型のボックスアート

 

役目を引き継いだF-86A セイバーMiG-15の両機は、性能向上型も含め、1953(昭和28)年の休戦まで数百回にも及ぶ熾烈なドッグファイトを繰り広げたのでした。

 

F-86F-30:1/18スケールの大型サイズの模型のボックスアート

 

F-86F-30:1/48スケール模型のボックスアート

 

MiG-15 bis:1/48スケール模型のボックスアート

 

F-86F & MiG-15:1/100スケール模型のボックスアート

 

MiG-15のパイロットにはロシア語を話す者がいました。ソ連は名目上は参戦していませんでしたが、ソ連兵パイロットが存在したのです。彼らが操縦するMiG-15F-86Fと対等以上に戦ったのです。

こうしたMiG-15の活躍によって以降、「ミグ」の名はソ連戦闘機の代名詞となったのです。