ブルーライト作戦(対策)は必要? | cynthia-dr-murazumiのブログ

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夏の紫外線対策を講じている方は多いと思いますが、紫外線以外にも肌にダメージを与える光線として高エネルギー可視光線(high-energy visible light, HEV light)・ブルーライトがあるとされています。

ブルーライトは波長が380 nmから500 nmの紫 - 青色の可視光線(目に見える光)で、可視光線の中では高いエネルギーをもつ光です。

 

     

 

自然光や人工光源の多くがブルーライトを含み、青色に見える光だけでなく、白色に見える光には等しく含まれています。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明、ゲーム機や液晶テレビには、このブルーライトが多く含まれており、夜遅くまでブルーライトを浴び続けると、不眠症などの睡眠障害(体内時計の狂い)をきたすリスクが指摘されています。

 

さらにブルーライトは紫外線(UVA)によく似た性質を持っているため、紫外線ほどではないにせよ、活性酸素や過酸化脂質を発生させ、肌に傷害を与えると言われています。

コラーゲン(膠原繊維)やエラスチン(弾性繊維)を変性させ、しわやたるみの原因になるほか、細胞に対しても傷害となり、皮膚の光老化へ繋がるそうです。

間接的な関与として、ブルーライトによって睡眠障害が生じれば、皮膚のターンオーバーにも乱れが生じ、シミや色素沈着の発生につながる可能性はあるようです。

 

太陽光に含まれるブルーライトであればエネルギー量が多く、肌への影響が大きいと考えられますが、スマホやPCなどからのブルーライトが肌にダメージをきたすだけのエネルギー量があるのでしょうか?

ブルーライトの影響の大きさは、距離の二乗に反比例するので、同じエネルギー量を持つ光源であれば、距離が近いほどより影響を受けることにはなりますが...

 

肌への害があるとしたら、どのような対策をとれば安心できるのでしょうか?調べて出てきた対策法を記してみます。

近距離でブルーライトに長時間暴露する環境にいる人は、室内でも日焼け止めを使用する。

最近ではブルーライトカット機能がある日焼け止めもあるので、それを使用すると良い。

液晶画面は明るいほど見えやすくなりますが、その分ブルーライトの影響が増えるので、可能な限り画面の明るさを落とす。

パソコンやスマートフォン、タブレットなどに貼るブルーライトカットフィルムを使用する。

夜間では、パソコンの夜間モード、スマートフォンのブルーライト量をおさえるモードにすることによって、ブルーライト量をおさえる。

日焼け止めを塗っていない就寝前などはスマートフォンなどの使用を控える。

 

ここまでブルーライトの肌への悪影響のついて述べましたが、実は医療に用いられてもいます。

体内時計の狂いから生じる睡眠障害の治療に応用されています。

人体は日中に光を浴びると、脳内の松果体から分泌されるホルモン・メラトニンの量が減少し、夜になって暗くなると増加してきます。メラトニンは脈拍・体温・血圧などを低下させる作用があり、それによって体が睡眠モードに入る準備ができ、睡眠に向かわせてくれるのです。

そのため不規則な生活や太陽光を浴びないような生活を続けるとメラトニンがうまく分泌されなくなり、不眠症などの睡眠障害の原因となります。その治療にブルーライトが使われるのです。

夜にもブルーライトを浴び続けることは良くありませんが、昼にちゃんと浴びることは、注意力、反射神経、精神の安定、睡眠の改善など脳の様々な機能の向上に有効とされているため、適度なブルーライトをあびることは有用なのです。

LED美顔器は発光ダイオードによって肌治療を行うもので、赤色LED、青色LED、ピンク色(赤色と青色のミックス)、緑色LED、黄色LEDがあります。その中の青色LEDは450nm前後の光であり、ブルーライト領域に入りますが、光線力学反応による抗菌作用、ピーリング効果を利用したニキビ治療に用いられています。

 

最後に、昨年4月に日本眼科学会など6つの団体が連名で発表した意見も掲載しておきます。

以上の意見からは、デジタル端末の液晶画面からの肌への影響も少ないと考えて良さそうです。

肌への影響に関して、今後も調べてみます。