大学病院形成外科に勤務していた頃、マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)の微小血管吻合のトレーニングとして、ウサギの耳の血管を切断してから再吻合することをしていたことがあります。
今回はそうした生々しい話ではなく、ウサギはウサギでも置物のウサギの耳の再接着のお話です。
住んでいるマンション玄関からエレベーターホールまでに犬など動物の置物が飾られています。
そして郵便受けのコーナーには、ウサギの置物が置かれています。このウサギの左耳が以前から取れており、傍らに置かれたままになっていました。
耳が取れた原因はわかりません。とにかくそのままになっていました。
見かねて勝手ながら直して(治して)みることにしました。
置物を自室に持ち帰って調べたところ、耳はきれいにもげていて、欠損部はありませんでした。
これなら簡単にもとに戻せますので、エポキシ接着剤で修復してみました。
再接着完了!
最後に紫色のリボンを左耳につけてあげました。米軍のパープルハート章(名誉負傷章)を意識して、名誉の負傷?から回復したことを称えつつ、再び壊されないように注意してもらうためです。
そしてもとの場所に返しました。
以前のブログ「散歩でシュワッチ!」(6/20)で、世田谷美術館で開催されていた「ピーターラビット展」と映画「ジョジョ・ラビット」(2019年)について記したことがありました。
今回は映画「ヒトラーに盗られたうさぎ」(2019年)を見たばかりだったことが、この置物のウサギを直そうとした動機になりました。
映画のポスター
この映画は絵本作家ジュディス・カーの自伝的映画で、ユダヤ人に生まれた彼女が家族とともにナチスの迫害をのがれ、スイス、フランス、最後に渡英する話です。
絵本(1980年発行)にもなっています
今回、ウサギの置物を直したので、おとぎ話「笠地蔵」のように恩返し(見返り)があればと思ったのですが、そう思うこと自体がアウトでした。それに「不思議の国のアリス」の「三月ウサギ」みたいなのが現れても困りますし...