ロートルも参戦? | cynthia-dr-murazumiのブログ

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ロシアの軍事侵攻から半年になるウクライナ戦争ですが、戦況は膠着状態となっているようです。それでも戦闘は続いており、最近の報道からはウクライナ側の新たな戦術も行われているようで、クリミア半島のロシア軍空軍基地が攻撃されたのは、ミサイル攻撃とかではなく、地上における特殊部隊や抵抗組織による破壊工作によると言われています。

 

一方で、ミサイル兵器に関して、今月初めに米国がウクライナに供与した兵器に対レーダーミサイルであるAGM-88 HARMミサイルがあると明らかにしています。HARMは「High-Speed Anti Radiation Missile」(高速対レーダーミサイル)を略したもので、航空機から発射することができるそうです。

レーダーは、目標を捕らえるために電波を放射(Radiate)します。対レーダーミサイルは、その電波を逆探知し、この電波放射源に向けて飛翔することで、レーダーを破壊します。主として、警戒管制レーダーや地対空ミサイル(SAM:Surface-to-Air Missile)のレーダーが標的となるようです。HARMを入手したことでウクライナ軍は、空軍の活動を脅かすロシア軍のSAMのレーダー(S-400、S-300、ブーク、トールなど)を攻撃することが可能となります。 これによって、ウクライナ空軍機やバイラクタルTB2のようなUAV(無人航空機、ドローン)が地上を攻撃できる可能性が飛躍的に高まると見られています。

 

すでに戦場に投入されている米国製高機動ロケット砲システム「ハイマース」がロシア軍の多数の弾薬庫を破壊したり、補給路上にあるいくつかの橋を正確に攻撃していることも伝えらえています。ハイマースにはより射程の長いミサイルも供与されたのではないかとも言われています。

そして今月はじめにはドイツから多連装ロケットシステム(MLRS)の「MARSⅡ」が供与されたことも報道されました。 米軍が使うMLRSのM270型をドイツが改良し、1990年からMARS(Mittleres Artillerie RaketenSystem)の名で運用されています。射程はハイマースと同一水準とされます。

 

そのドイツが7月下旬に供与した兵器が、自走対空砲ゲパルト」(GEPARD)です。

ドイツ軍に1973(昭和48)年から配備されていたもので、車体にレオパルト1戦車を流用し、砲塔には左右に1門ずつ35mm高射機関砲を備え、戦車部隊に随伴して対空戦闘できる能力を持っていました。

2010(平成22)年以降、第一線を引いて予備保管扱いとなっていました。配備から49年ですので旧式兵器になります。それで今回のタイトルに「ロートル」と付けてみのです。中国語「老頭児」に由来した言葉で、「老人」「年寄り」を意味します。

近距離防空用の「ゲパルト」に期待されるのは、UAV(無人航空機、ドローン)対策と言われています。ただし、攻撃ヘリコプターや有人航空機を対象にした、旧式の「ゲパルト」のレーダーや射撃管制装置が、最新のドローンにどこまで有効かはわからないとも言われています。

 

1970年代のタミヤのミリタリーミニチュアシリーズ(1/35スケール)全盛期には、この自走対空砲も模型化されていました(1977年発売)。

 

当時は西ドイツ陸軍で、最新型の自走対空砲でした

 

後に、1/16スケールのビッグモデルにもなっています。