残念な広告:切らないと言いながら、切る | cynthia-dr-murazumiのブログ

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大手美容外科さんの広告で、「目の下の切らないクマ・たるみ取り」とありました。どのような手術手技で行うのか見てみたところ、下瞼の裏側(結膜側)を切開して、クマの原因・目袋の脂肪(眼窩脂肪)を除去するとのことでした。なんのことはない、シンシアで日常茶飯に行われて圧倒的症例数を誇る「経結膜脱脂術」のことでした。

この場合、正確には「目の下の“皮膚は”切らない、“だけど結膜は切る”クマ・たるみ取り」と言わなきゃと思いました。

キズアトを考えたら、目の下の皮膚側からアプローチは通常はしません。下眼瞼のしわ取りや頬骨々折などで皮膚側からアプローチする際は、まつ毛のすぐ下から切開(睫毛下切開)しますが、キズアト(瘢痕)は線状になってほとんど目立ちません。

そもそもしないことをさも凄いことだと言っていて、「なんだかなー」(故阿藤快さんのように)とつぶやいてしまうのでした。

表から切らずに、裏から切る、これ即ち「裏切り」で、明智光秀かとも思ってしまいました。