今年3冊目読了。

 

スタンフォードの心理学講義 人生がうまくいくシンプルなルール Kindle版
ケリー・マクゴニガル (著),‎ 泉 恵理子 (翻訳)

 

★★★☆☆ ストレスとは付き合い方が重要で、むしろ歓迎すべきもの

 

著者は米スタンフォード大学の心理学者。専門は健康心理学。ボストン大学で心理学とマスコミュニケーションを学び、スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得。心理学、神経科学、医学の最新研究を応用し、個人の健康や幸福、成功、人間関係の改善に役立つ実践的な方法を提供する講義は人気を博し、スタンフォード大学で最も優秀な教職員に送られる「ウォルター・J・ゴアズ賞」をはじめ数々の賞を受賞。「フォーブス」の「人びとを最もインスパイアする女性20人」に選ばれる。心身相関を重視する立場から、グループフィットネスやヨガの指導も行っている。TEDプレゼンテーション「ストレスと友達になる方法」は1100万超えの再生回数を記録し、“プレゼンの名手"としても知られる。大学で講義するかたわら講演や執筆活動も精力的に行い、2012年に日本で発行された著書『スタンフォードの自分を変える教室』が60万部を超すベストセラーとなり、ビジネス書の年間ベストセラー1位(2013年、日販・トーハン調べ)に選ばれた。
最新の科学的データに基づく“本当の自分”を引き出す 25のレッスンが本書のテーマ。
(www.amazon.co.jpから引用)

 

自分をうまくコントロールするためにはテクニックがある。
例えばそれは「成長型マインドセット」を持つということ。
成長型マインドセットを持っている人は困難に直面したときに、自分が無能で力不足なのではなく、今の時点での努力が足りなかったからだと考える。だから振り返って反省し、成長へ向けて前進できる。
また、著者はこうも言う。
「仕事をやる気が起きない」と不満を言う時は、大抵の場合、自分が持っている強い意欲・やる気を満足させる具体的な方法を見つけられないだけなのです。
そうした欲求が満たされないために、仕事をしようとするエネルギーがなくなってしまうように感じます。
すべての人が持っている「最も基本的な、前向きなモチベーション」は、次の3つです。
①関係性:他者やコミュニティー、大切にしている大きな目的・目標とのつながりを感じること。
②自主性:人生の質を左右するような行動や選択を自由に取れること。自分の意思で取った行動や選択が、大切にしていることと一致していれば、目標を達成する助けになる。
③熟練:取り組んでいることに対する能力があり、貢献できるものがあることが自分でも分かっていて、個人的に満足できるような上達や学びがあること。
こうしたモチベーションが満たされた時、人はますます幸福感を味わい、さらに健康になり、人生に満足するようになります。
そして仕事がこうした欲求を満たすのに役立つ時、「やる気がある」と言うのです。
(本書より引用)
つまり、「やる気」があるという状態を作るためには「関係性」「自主性」「熟練」を満たす必要があるということだ。
これはwill can mustの概念に近い。「関係性」がmust、自主性がwill、「熟練」がcanに相当する。
やる気がないという状態のときにはこの3つのチェックをすると良いということの示唆だ。
また、本書で述べられていて、面白いなと思ったのは下記の記述だ。

2005年から2006年にかけて、調査会社ギャラップが実施した世論調査で、世界121カ国、12万5000人に対して、「昨日、多くのストレスを感じましたか?」という問いかけをしました。
「はい」と答えた人のパーセンテージから、国別に「ストレス指標」を算出したところ、驚くべき結果が出ました。
ストレス指標が高ければ高いほど、国も豊かだという結果だったのです。
「昨日、多くのストレスを感じた」と答えた人が多い国ほど、平均寿命やGDP(国内総生産)が高かった。
「ストレス指標が高いほど、国民の幸福感や満足度も比例して高い」ということも、この調査結果は示していました。
ストレスを感じる人が多いことは、「健康や仕事、生活水準やコミュニティーに満足している」人が多いことを意味していたのです。
調査は、さらに個人のレベルでの幸福とストレスの関係について調べていました。
その結果、興味深いパターンが見られました。
ストレスを多く感じた日には、怒りや憂鬱(気分の落ち込み)、悲しみ、不安を感じやすくなっていました。
しかし同時に、ストレスを多く感じることは、喜びや愛、笑いを多く感じることとも、関係していたのです。
ストレスを感じても気分が落ち込まない人は、自分の生活をほぼ理想的なものとみなしている傾向が強くありました。
私はこれを「ストレスパラドックス」と呼んでいます。
「ストレスパラドックス」とは、「ストレスの多さは悩みと幸福感の両方に関わっている」ということです。
このパラドックスの結びつきは非常に複雑ですが、これを理解する1つの方法は、「ストレス」「悩み」「人生の意義」の間の関係性を見ることです。
(本書より引用)

ストレスが幸福につながっているという論拠である。
つまりはストレスがあるから感情に起伏が生まれて人生を楽しめるということだ。
ストレスとは付き合い方が重要で、むしろ歓迎すべきものだということである。