「あれ?足音が聴こえる気がしない?」

 

  春が来た!

 

先週までが嘘のようにすっかり春だ。

 

めちゃあったかい。

 

私は冬場にロードバイクに乗り始めたので、始めてからこの方ずっと過酷だった。

 

寒いし、風は強いし。

 

しかし、ようやく外で遊ぶ季節だ。

 

花粉さえなければ完璧と言わざるを得ない。

 

せっかくあったかくなったので、調子こいて今日はロングライドに挑むことに。

 

足元の私の野望は、まずはこの関東圏、具体的には東京都を含む周辺の関東6県の制覇だ。

 

すでに埼玉、神奈川は早々に走破したが、茨城がようやく先月到達したばかりだ。

 

それ以上に何もない・・・もとい遠い栃木、群馬をいかに攻略するか。

 

そんなことを考えながら地図を見ていると、あるスポットが目に入った。

 

好都合にも、地理的に両県が隣接しており、これは一気に片付けるにはおあつらえ向きだということで、勇んで出かけることに。

 

すでに牛久大仏を走破した私にとっては、地図で見る限りにおいては想像できる範疇であり、これ余裕だなと薄ら笑いだ。

 

しかし、やっぱり田舎を・・・もとい道路事情を舐めてはいけないということをつくづく思い知らされることになる。

 

 

  目的地は大事

 

始めたばかりの頃はただひたすらに走ることが楽しかった。

 

今でも走ること自体が楽しいことには変わりないのだが、いうてもやっぱり漠然と走っているといろいろ考えてよくない。

 

無邪気な時を過ぎた私には目的は必要だ。

 

なので、最近どこへ行くにしても目的地を置いて、そこを目指すことにしている。

 

例えば千葉であればかつて住んでいた地域への個人的聖地巡礼、神奈川であれば赤煉瓦倉庫、茨城であれば大仏、埼玉であればなんとなく街、みたいな感じで目的地を定めてきた。

 

それが私の心を毳立たせ、ペダルを回すエネルギーに還元されるのだ。

 

しかし、栃木と群馬って何があるんだ?全然知らないぞ。

 

元々地理に興味のない私にとって、いったいどこを目指せばいのかわからない両県だったが、そんな中地図を眺めていて目に止まったのが谷中湖だ。

 

とりあえず大きいし、きっと何かのスポットであるに違いない。

 

そしてちょっと地図を左へスワイプすると、すぐそこに群馬があるではないか。

 

それぞれでいくには弱い・・・もといさして目的もモテなそうだったので、ここで一気に片付けることに。

 

 

  Come On Baby, Light My Fire

 

ここ最近ずっとそうしているが、細々と網目を縫うようなルートは大概迷うので大通りを行くようにしている。

 

今回も高速道路沿いの街道を走る。

 

さすがに土曜日ということもありかなり混んでいて、多くの車が車線の左側へ寄せているのでほとんど走るスペースのない区間が長かったので、歩道をゆっくり走る序盤であった。

 

ロードバイクに乗るようになってつくづくわかったが、凹凸も激しく路面もガタガタなので、ここをゆっくり走るのって結構しんどいのである。

 

幸い歩道にはほとんど人通りはなかったので、その辺りの気遣いはなかったのは幸いか。

 

私は都内から久喜方面を通っていったのだけど、久喜までは以前にも行ったことがあったので、そこまではまずまず見慣れた道であった。

 

 

しかし、そこから先で少しくペースをくじかれる。

 

利根川を渡るところなのだけど、あの川は幅が大きいので向こう岸に渡れる橋は限られている。

 

私が想定していたルートがもちろんあるのだけど、ちょっと道をずれてしまい橋のあるところを通り過ぎてしまった。

 

しばらく走って、あれ?そろそろ着くはずがいつの間にか川沿い走ってるぞ?となり地図を見て気づいたわけだが、仕方なく引き返して想定ルートに復帰した。

 

戻る際にも途中まで入れたのに行った先は工事で通行止めとなっているところもあり、なかなかのトラップであった。

 

そうこうしながら、川を渡ってからはそんなに苦労なく到着。

 

 

思ったより閑散としており、人もまばら。

 

いわば河川敷の公園のような風情で、いわゆる親水公園のような感じなのかな。

 

人口的なものだと思うが、その形はハート型になっているというのが一つのアピールポイントだが、しかし北を上にするとハートではなく桃、もしくは尻のようだ。

 

湖を横断するように道が巡っており、とりあえず中程にある島に行くことに。

 

真ん中にあるので、ちょうど尻の穴に当たるだろうか。

 

野鳥も訪れるようで、観察のためのちょっとしたデッキなどがあちこちあったのでせっかくなので見てみることに。

 

鳥たちを驚かさないように壁から覗き窓で見るような仕様だ。

 

さてどんな鳥がいるのかしら。

何もいなかった。

 

それどころが水はすっかり干上がっており、湖ではなく水たまり程度だ。

 

昨日雨降ったのか?

 

まあ、到着したその時に気づいていたのだが。

 

調べてみるとこれはあえてやっているようで、干し上げというそうだ。

 

人工的に管理されているわけだ。

 

ちなみに、他の場所ではもう少し水があるところもあり、そこには鳥がいくばくかとんでもいたね。

 

とはいえ、それ以上に何があるわけでもないので早々に次の現場へ向かうことに。

 

 

この日も朝は8時半くらいに家を出てたのだが、谷中湖に着いた時にはすでに12時半頃だった。

 

もう少し早くついている想定だったが、道を間違えたり歩道をゆっくり走っていたのでそこで時間を食ってしまったのだろう。

 

今日の私は群馬へ行かなくてはいけないので、少しだけ谷中湖内の道路を巡りながら次の場所へ。

 

 

  今日のラーメン:いなかっぺ

 

群馬へ向かう道すがら、田舎道を直走っていると腹が空いてきた。

 

時間的にもお昼を回っているのでどこかで飯を食べたい・・・そんなことを思いながら走っていると遠くにのぼりが見えた。

 

その風情からなんとなくあれはラーメン屋に違いない、と駆けつけてみるとまさにであった。

 

ほとんど車の通りもないところだが、助かった。

 

中に入ると先客は2組あるだけで静かなものだ。

 

座敷とカウンターがあり、座敷の方の壁にはサインや写真が飾っているので地元の有名店なのかもしれない。

 

あるいは他にないだけか。

 

ともあれ、例によって塩ラーメンと餃子のセットを注文した。

 

 

10分強待って出てきたのだけど、スープは透明度の高いあっさり系、鰹出汁を効いた上品な味だ。

 

麺はちぢれ麺でこちらも色味の薄い白い麺だが、弾力はまずまずだ。

 

この店の佇まいからは想像できない味であったが、美味しいですね。

 

ただ、餃子は正直イマイチだった。

 

にんにくとニラがクンクンに効いており、ちょっと辛かった。

 

その割に餡自体の味がそれほど感じられず、薬味臭のみが強烈に主張をしてくる感じだ。

 

ともあれラーメン自体が美味しかったので、それでよしとしよう。

 

ちなみにラーメンだけであれば500円という破格さ。

 

都内にも腐るほどラーメン屋はあり、いずれもそれなり以上に美味しい。

 

価格は1杯800円前後が標準的になってきており、私としてはそれくらいで妥当だろうと思っているのだが、そんな中で500円。

 

飾りっ気のない正面突破してくるようなストレート(麺はちぢれ麺だったが)なラーメンで、よかったですね。

 

食後はコーヒーをサービスで出してくれた。

 

 

店を出て身支度をしていると、店内にいたお客さんが外へ出てタバコを吸っていたのだが、徐に話しかけられる。

 

私の自転車を見て、どこからきたんですか?なんて他愛のない話である。

 

それにしても、私はしばしばおっちゃんかおばあちゃんに話しかけられる。

 

不意に話しかけてきたと思ったら大体どっちかだ。

 

できれば若い女性に話しかけられたいところだが、まあそんなことはないか。

 

 

そんなことを考えながら再び群馬を目指す。

 

 

  公園へあと少し

 

先ほどから大仰に群馬と大きめの主語で語っているが、向かったのはつつじが岡公園という、いわば近所の公園的なところだ。

 

地図を見ていて、一応ランドマークっぽかったのでそこを目的としたのであった。

 

流石に足を踏み入れただけで行ったというのはまずいのではないか、といった懸念があったので、足を止める理由が欲しかった。

 

その理由はなんでもよかったのだ。

 

とにかく1都6県制覇したとさえ言えれば、過程や、方法など、どうでも良いのだ。

 

とか言いながら思ったよりも結構距離があって、思ったよりも時間がかかった。

 

地図をざっくり見て、ろくに調べないのでこういうことが起こるのだ。

 

そこも大きな池を囲うように散歩道や公園を併設している。

 

アスレチックスペースでは子供達がきゃっきゃ言いながら遊具と戯れているが、よくよくみるとなかなかハードめなやつも。

 

子供達が最も簡単にやっているのですぐには気が付かなかったが、なかなか体幹の強い子達である。

 

そこで缶コーヒーをちょいと飲みながら一休み。

 

花粉が凄まじいとはいえ、やはりいい天気。

 

一応ウインドブレーカーを朝にはきていたが、サイクルジャージのみで十分暖かい。

 

ちなみに冒頭に載せた銅像はこの公園に設置してあり、著名な彫刻家の作品のようだ。

 

公園全体もあちこちに趣向を凝らしており、おそらく建築家かデザイナーを入れて作ったのだろうということは想像せられたが、しかし段差が多く狭い橋にオブジェもたくさんあるので正直公園の機能として考えた時にはちょっと・・・な感じもしたな。

 

 

そんなことを考えながら時刻はすでに14時半を回っている。

 

帰らねば・・・。

 

 

  川を渡るのが大変

 

私はできるだけ行きと帰りは違う道を通りたいという思いがあるので、ルートもあえて遠回りしてでも違う道を選ぶのだが、ここでもまた川に阻まれることに。

 

通れるだろうと思って向かった道が高速道路になっており、それでも歩行者用の通路もあるだろうと踏んでいたがなかったのだ。

 

仕方なくきた時に通った道から行くことにしたのだが、思った以上に時間がかかった。

 

走れど走れど辿り着かず、しかも道路沿いの案内看板でも何度も同じ地名が出てくるのでなんだかパラレルワールドに迷い込んだような気持ちにもなった。

 

まあ、考えてみれば当たり前で、ここへくる途中に結構走っていたからね。

 

 

加えて一つ問題になったのがコンディションだ。

 

序盤はなんとか持ったものの、さすがにこの長時間花粉にさらされたせいかくしゃみ鼻水が止まらなくなってきた。

 

さらに右膝が痛くなってしまい、力が入らない。

 

元々膝は悪いので、特にひどい左膝にはいつもサポーターをしている。

 

右膝もたまにピキっとくるが平生は気になるほどでもないし、前回牛久に行った時にも平気だったが、なぜかこの日は来てしまった。

 

なので左膝につけていたサポータを右に付け替えて走ったのだけど、そんなこともあってか異様に疲れたね。

 

 

結局家に着いたのは19時過ぎで、都合10間以上かかってしまった。

 

ただ不思議なのは、走行距離や速度で見ると前回とそんなに変わらないのだ。

 

にもかかわらずなんでこんなことに・・・と不思議だったが、とにかく疲れた。

 

距離は160km、平均速度21km/h、平均パワー88w、消費カロリー2,700kcalだった。

 

数値的には牛久の時と変わらないし、なんなら気候的にも今回の方がいいと思いきや、本当に疲れた。

 

本当は今日も走ろうと思っていたが、膝も休ませたいし、筋肉痛もかなりあり、全身だるい。

 

そして花粉症もあってか朝から目やにが酷く、充血しっぱなしで痒いし、瞼もパリパリしていたい。

 

コンディションが悪いのだ。

 

なので、今日はゆっくり過ごして整えることに。

 

ロードバイクに乗るようになって、普通に街をぶらぶらすることがなくなったのだが、気が向いたら出かけるくらいにしよう。

 

 

  これからの季節に向けて

 

まだまだ気候は安定していないが、暖かくなっていくのは間違いないわけで、ウェアも冬物ばかりなので少しずつ衣替えがてら買い足しが必要。

 

体力作りだけでなくもう少し上手な走り方も身につけたいし、そろそろ輪行のために自転車を畳む練習もしておきたい。

 

しかし、ちょうど物件の更新もあったので入り用が多かったので、今月いっぱいは買うにしても安い物で揃えるくらいか。

 

いずれにせよ、いい季節になるので準備していきたいものだ。

 

 

とにかく、形はどうであれ1都6県は制覇したので、次は少し電車も活用して領域を広げていきたいところだ。