朝、庭のプランターに水をあげて戻ってきたら娘がイスに座ってシクシク泣いていた
どうしたの?と聞いたら昨日出された宿題を忘れていて出発の直前になって気づいたらしい
普段は学童保育で宿題を済ましてしまうのだが、昨日は習い事で学童に行かなかったのですっかり忘れていたようだ
出発までのタイムリミットは10分
夫婦で励ましながら途中まで終わらせたのを見届けて送り出した
娘は最後までシクシク泣いていた
その後ろ姿を見守りながら、僕は過去の自分に思いを馳せていた
僕はとりわけ忘れっぽいので「宿題忘れてた!やっべ!」という出来事は一度や二度ではない
最初のうちは娘のようにシクシク泣いていた
そのうち慣れてきてドキドキはするけど泣かなくなり、次になんとかなるさと高をくくるようになり、次第にギリギリを攻めるようになっていった
夏休みの宿題をギリギリまで持ち越すような感じである
何ともならなかったこともあったが、めちゃくちゃ怒られるようなこともなかった
でも、今思うに宿題というのは、やるやらないではなく、自分の中で計画や優先順位をつけてやる訓練のようなものなのかもしれない
別に計算ドリルや漢字ノートを一日やらなかったからって即人生が終わるわけではない
せいぜい先生に怒られて終わりだ
でも、そういうことじゃなくて、やることをちゃんと頭の中で整理して、計画的に物事を遂行していくというスタンスを身につける、そういう訓練なのかもしれない
そのことに早い段階で気づいていれば、僕は今ごろ出世街道をひた走っていたかもしれない…
仕事も今みたいに7つも8つも貯め込まずに済んでいたかもしれない…
僕はもうギリギリまで引き延ばすクセがついてしまったのでどうしようもないが、娘には計画的に遂行できる人になって欲しいと切に思う
ちなみにその夜、娘は「先生優しかったー。休み時間にやってねって言われて間に合ったー」とニコニコ顔で帰ってきた
娘の笑顔を見ながら僕は複雑な心境だった