僕はスーパー銭湯が好きだ
いわゆる銭湯ではなく、施設内にレストランやらゲームセンターやら完備されてて、何ならそこだけで1日中過ごせるようなスーパー銭湯が好きだ
ちなみに同じくらい温泉も好きだが、正直温泉の泉質とかそういうのはよく分からない
「なんとなくポカポカするなー」とか、「硫黄の匂いすごいなー」とか、そういうのはさすがにわかるが、天然温泉と人工温泉の違いとか、ナトリウム泉とかなんちゃら泉とか、そういうのは全然分からない
でも大半のお風呂好きはそんなの分からないはず
そもそも人工温泉と天然温泉の違いが分かったところで、気持ちよければいいじゃんというのが正直な気持ちだ
それはさておき、スーパー銭湯や銭湯には知られざる御法度があるのは前回書いたとおりだ
今回はその2回目である
二、寝湯では男湯(女湯も?)痴漢に気をつけろ
前々から実在するとは聞いていたが、ネタか都市伝説的な感じだと思っていた
でも奴らは実在する
それは郊外のチェーン展開しているスーパー銭湯でのこと
屋外にサウナがあってその横に寝湯があるタイプだ
いわゆるサウナーたちはサウナに入ったあと水風呂で体を冷やしてその後屋外で風に吹かれて「ととのう」らしいが、僕はそもそも水風呂に入る勇気がないのでサウナに入った後は温水シャワーで汗を流して寝湯でゴロゴロしている
その日も汗を流してサウナ室脇の寝湯でゴロゴロしていた
6畳くらいの空間に屋根が張ってあって中は風が通るように柱で支えているだけの少し薄暗い感じの場所だった
中央を通路にして左右に区画が設置され、その区画が3つのスペースに区分けしてあって、僕はその右区画の一番奥に寝転がっていた
ふと、色黒のおじさんと目があった気がしたが、さして気にせず目を閉じていた
そのうち寝湯に波が立って誰かが同じ区画に入ってきたのが分かった
やだなーと思ったが、3つあるから隣に来ることはないだろうと高をくくっていた
今思うとここが敗因(?)である
同じ区画に入った時点で警戒するべきだった
目をつぶって考え事をしていた時、左胸に触れる生暖かい感触で目を開けたらすぐ横にさっき目のあった色黒のおじさんがいるではないか
何がおかしいのかニヤニヤしながら右手を僕の胸に押し当てていたのだ
慌てて上半身を起こすと、おじさんは少し意外そうな顔をしてさっと手を離した
そのまま逃げるように寝湯を後にして、でも更衣室で絡まれると怖いので、人の多い湯船に逃げ込んだ
おじさんは何だか残念そうな顔でこちらを見ていたがそのうち何も言わずに去っていった
別にそういう性的嗜好を否定するつもりは全くない
個人の自由だと思うし、好き同士なら勝手にしたら良いと思う
しかし、男性同士で成立するかは不明だが、不同意である以上これはれっきとした痴漢行為であり、訴え出るべきだったかもしれない
だが、あまりにも意味不明で気持ち悪くて「何してるんですか?」とか「やめてください」とか話しかけたりするのも無理だった
いずれにせよ心に深い傷を負った僕は、その後数ヶ月くらい銭湯に行けなかった
教訓として、薄暗い寝湯ではそういう輩が発生する(あるいは誘っていると思われたのか分からないが)と思って警戒レベルを一段上げておく必要がある
それにしても、僕みたいにお腹周りにお肉のついた中年男性でもそういう対象になるのは盲点だった
色黒ガチムチ系のおじさんからは気が弱そうにみえたのだろうか
目があった時のおじさんのニヤニヤ顔はしばらく脳裏から消えそうにない