この春、ついに大学に受かったと教えてくれた

3年目にしてとうとう勝ち取った合格に、我が子のことのように嬉しくて涙が溢れた


かれこれ6年くらい付き合いのある子で、少し変わってるけど礼儀正しいし素直だしいつもニコニコ笑顔で挨拶してくれるとても良い子だ

発達障害のせいなのか、長時間集中できなかったり深く考えたりするのが苦手と言っていた

大学受験するつもりだと話してくれた時は言葉では応援してたけど、正直難しいんじゃないかなと思った

でも夢に向かってひたすら頑張る彼の姿を見て上手くいって欲しいとずっと思っていた

何としても受かってほしくて、初詣で訪れた神社でこっそり彼の合格を祈り御守も授かってきた

神頼みというやつだ

さすがに渡すのは躊躇われたので仕事用のカバンに忍ばせてあるけど、それくらい僕にとって彼の挑戦は大きなものになっていた


昨年の春はストレスで髪の毛抜けるくらい肌のコンディションが悪化してとても辛そうだった

薬の力も借りて頭皮や全身の湿疹は治ったけど、良くなってもしばらく表情は浮かないままで心配だった

試験前は、次ダメだったら諦めると言っていたけどこれまでの頑張りが無駄にならなくて本当に良かった


良かったね、おめでとう、と言ったら第一希望の大学ではなかったらしく少し複雑そうな表情だったけど


都会の大学だから彼とはもうしばらく会えなくなる

他の学生にからかわれたりしないかちょっと心配だけど、ハンディキャップを乗り越え夢に向かって突き進む彼にはいらぬ心配だろうか


渡せなかった御守を握りしめて遠い場所から彼の活躍を祈りたい