投資家の誰もが一度は思うこと | 松下誠の投資家を元気にするブログ

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今、最も支持されているカリスマトレーダー松下誠が、毎日の市況やトレードの心構え、資金管理やルールなど、実践に即して相場を語ります。毎日のメンタルコントロールに最適です。

おはようございます、松下です。


投資家の誰もが一度は思うこと、
今日はそんな話をしてみたいと思います。


それは投資の目標のお話です。


投資を始めてある程度の資金を
市場に入れていると、初心者でも
一日に資金が2~3%増えたりする
ことがあります。


ある月には、10%やそれ以上の
資金の増加を経験したりもします。


こんな経験をしていると、
1日に2~3%動くのなら、
1か月に10%は、堅く
利益を上げられるんじゃないか。


1か月に10%くらい利益を上げられるなら、
1年で100%は堅いんじゃないか、
こんな風に考え、毎日市場をしっかり
観察して、

「1か月に10%の利益を目標にしよう」

という目標を立てます。


バラ色の未来が開けた気がします。


実際に私も、利益を上げ始めて
すぐの頃に、この目標を立てました。


メルマガでも宣言したかもしれません。(笑)


しかし何か月経っても、
1年が過ぎても一向に資金は増えません。


増えていないどころか、
どんどん減っていきます。


こんな経験、大抵の投資家はしています。


この投資家あるあるは、
ボラティリティの概念の欠如、
および資金管理や複利の考えの
甘さに起因します。


まず株式市場では、
1日に2~3%価格が変動することはあります。


これは市場のボラティリティなのです。


このボラティリティは、
上昇にだけ働くわけではなく、
下落にも同じように働きます。


時には、ブルとベアの関係で、
下落の方が大きくなることさえあります。


しかし初心者の投資家は、
市場の変動の自分にプラスの側面だけを
見て、マイナス面を全く考慮せず、
それがひたすら続く前提で目標を作ります。


しかもこのボラティリティを
享受するには、全資金を市場に
投入していなければならず、
これは既にリスクが大きくなっています。


信用取引や証拠金取引になれば、
さらにこのリスクは拡大します。


こうしてボラティリティや
値動きのマイナス面を考慮しない上に、
資金が減った段階ではマイナスの複利が
働き、資金回復はさらに困難になります。


こうして、「毎月10%の利益」は、
絵に描いた餅どころか、
幻のかなたに消えて、
後に残ったのは無残に減った資金です。


大きい目標を持つことは大賛成です。


大きい目標を持った時には、
その目標を見て、
次に自分の現在位置を確認し、
その目標と自分の差、ギャップを
真正面から捉え、何を行っていけば
その差を埋めていけるのか、
具体的な材料や作業を確認するようにしましょう。


そして日々、その作業の進捗や結果を
確認し、次の作業や目標を定めて
実行していきましょう。


大きい目標だからこそ、
達成は困難であり、
一筋縄ではいきません。


その目標を達成するために、
今何が必要かと考え、
着実に実行し、いつか必ず
その目標を成し遂げてください。