内容説明

4億の検索ワーズ、数十万の官能小説、4万のアダルトサイト……。
データマイニングと脳科学・性科学で解き明かす、前代未聞の科学書!
認知神経科学者2人が、インターネットを情報源に男と女とゲイの「知られざる欲望」を解明。
NYタイムズ、ワシントン・ポスト、CNN、ニューズウィーク、ハフィントン・ポスト……と数多くのメディアで取り上げられ、
米アマゾン・レビューは大荒れに!
これは、キンゼイ・レポート以来の「偉業」なのか?

目次

第1章 大まじめにオンラインポルノを研究する―性科学と「セクシュアル・キュー」
第2章 熟女人気と体のパーツの好みに関する考察―男の「目」を惹きつけるキュー
第3章 お尻や乳房など体ばかりに注目するのはなぜか―男性の性的欲望
第4章 セックスする前に脳が男を品定めする―女性の性的欲望
第5章 強くて支配的な大金持ちとちょいワルが好き―女の「心」を捉えるキューその1 ヒーロー
第6章 自分の性的魅力で男たちを惹きつけたい―女の「心」を捉えるキューその2 ヒロイン
第7章 ストレートの男と違うところは3つだけ―ゲイの男を惹きつけるキュー
第8章 求む、背が高くてお尻がカッコいい男―女の「目」を惹きつけるキュー
第9章 浮気妻と素人娘は競争原理と本物志向の表れ―男の「心」を捉えるキュー
第10章 「支配」と「服従」あなたはどっちがお好き?―男女両方の「心」を捉えるキュー
第11章 そして欲望はイリュージョンを生み新たな次元へ―セクシュアル・キューの創造力

 

人はどのようなもので性的興奮を得るのか、それはどのようなメカニズムなのか。こういった疑問について様々な視点から探っていく本である。これを読むと男性向けのポルノや、女性向けのロマンス小説についての理解が深まる。あの独特なフォーマットには全て意味があるのだと。

この本が俺好みである理由の一つとして、人間を生物の一種として捉えているところにある。例えば「ふたなり」などで、体が女の子みたいでも男性器だけが巨大に描かれることがある。この本ではその理由を男性のアイデンティティだとか暴力性がどうとかに求めたりしない。これは精子競争による興奮を増すためではないか、と論を展開する。徹底して話が進化論の延長線上にあるのが実に良い。

一つ難点を挙げるとしたら、これを読むとポルノなどを見る目線が変わってしまうことだろう。まるで職業病のように、そのシーンがどのような原理に基づいて作られているのか考えてしまう。作る側の人間にとっては必読の書と言えるが、良き消費者であり続けたいなら知らないほうがいいかもしれない。