Awich、全国7都市完売ツアー〈THE UNION〉終幕 ファイル公演はYENTOWNもサプライズ登場

今年米国最大級のフェス〈コーチェラ・フェスティバル〉に初出演し注目を浴びるAwichが、昨年10月リリースの最新アルバム『THE UNION』を携えた全国ツアー〈THE UNION TOUR 2024〉のツアー・ファイナルとなる東京公演を5月24日(金)に東京・Zepp Hanedaにて開催。  NENE(ゆるふわギャング)、LANA、MaRI、AI、そしてゆりやんレトリィバァらアナウンスされていた豪華ゲストのほか、彼女が所属するクルー・YENTOWNのサプライズ登場もあり、会場を大いに沸かせました。 [オフィシャル・レポート]  全国7都市を廻った『THE UNION TOUR 2024』。Awich史上最大規模のツアーでもあり、初日の大阪公演の直前にはアメリカで開催されたコーチェラフェスティバルのステージを踏んだ。チケットは全会場でソールドアウトし、いよいよ最終日となる東京会場、Zepp Hanedaの幕が開く。  大勢の歓声で迎え入れられたAwich。噛み締めるように「THE UNION」をラップし、オーディエンスを一気に引き込んでいく。名刺代わりとも言える「Queendom」のあとは、ひときわ派手なサウンドが印象的な「NWO」、「Guerrilla」と続き、MCで「心から自由になりましょう!」と呼びかけたあとは「どれにしようかな」、「Call On Me」、そして「口に出して」とスムーズに繋いでいく。「Call On Me」では娘のYomi Jahもダンサーとして参加し、堂々と笑顔でパフォーマンスを披露した。  続いて「紙飛行機」、「Remember」、「洗脳」と息つぐ間もないほどに、これまでの代表曲をメドレー的に披露していく。興奮とともに、改めて彼女のリリックが紡ぐ世界観の豊かさや表現力の巧みさをしみじみと堪能した場面でもあった。「悔しかったら全国ツアーのチケットをソールドアウトしてから言え!お前はやることやってんのかよ!」とシャウトし、「WHORU?」、「LINK UP」へ。エモーショナルな表情を見せながら「ヒップホップに感謝」と深く礼をする場面もあり、2パックやジェイ・Zローリン・ヒル、プア・ライチャス・ティーチャーズといった先人のラッパーたちの名前を並べながら「沖縄の先輩たちもたくさんいる。ヒップホップを聴くと、世界で何が起こっているのか知ることができる。リスペクトを持ってこの音楽を大事にしていきましょう」と呼びかけた。感極まった表情で「“絶対できない”って言われることもいっぱいある。でも、絶対できる。自分が無我夢中になれればそれでいいから。それが最高のリベンジです」と語り、そのまま「Revenge」へ。続く「TSUBASA」では再びYomi Jahが参加。ラップに加え、しなやかなコンテンポラリーダンスでオーディエンスを魅了した。瞳を潤ませながら「娘は命の恩人。Awichを創ったのはToyomiです」と切り出して「Wait For Me」、そして「かくれんぼ」と続け、さらに胸を震わす感動的な空気が会場を包む。  その空気を一変させるように流れたのは「GILA GILA」のイントロ。鋭く切り込むラップで会場を沸かせると、間髪入れずに「ALI BABA REMIX」へ。MFS、ralphの二人が参加し、ステージ上からクールな迫力で観客を沸かせる。ライブ後半へ差し掛かると同時に、次々とゲストたちがステージを煌びやかに彩っていく。「イケメンタル」とともに現れたのはNENE。続いて、十分な期待感を煽りながらスタートしたのは「Bad Bitch 美学 Remix」。この日は初めてNENE、LANA、MaRI、AI、そしてゆりやんレトリィバァの6名が揃って集結。それぞれのヴァースと共にステージ脇から一人ずつステージに加わり、熱狂的な歓声で迎え入れられた。個々、異なる魅力と強さを放つ女性たちが集い、己のパンチラインをラップし観客が呼応する。まさに圧巻のパフォーマンスで、ステージからも客席からも、とてつもないエネルギーが放たれた瞬間でもあった。  DJ U-Leeのスキルでオーディエンスを踊らせたあとは「RASEN in OKINAWA」へ。「俺にもマイクを渡してくれよ!」とCHICO CARLITOが登場。安定感のあるアツいラップを聴かせ、同じ沖縄を拠点とするシンガー、柊人も加わって彼らのコラボ曲「Let Go」を特別に披露する一場面も。そのまま柊人の代表曲「好きなこと」にAwichが加わったエクスクルーシヴなリミックスバージョンも披露したあと、SugLawd FamiliarからOHZKEYが登場し「LONGINESS Remix」へ。Awichのホームである沖縄の温かな熱気が伝わってくるようなパフォーマンスだった。いよいよ本当の終盤、「学びがあったし成長できた」とツアーを振り返り、「最後の最後だぜ!」と呼びかけ「BAD BAD」へ。ダンサーたちの紹介を含め、Awichも笑顔を見せながら振りを交えて歌い、ピースな雰囲気でライブ本編の幕が閉じた…と思ったら、そこに現れたのはYENTOWNの面々。サプライズで登場し、kZm、PETZ、JNKMN、MonyHorseらとともに「不幸中の幸い」をキック。ツアーのファイナルを締めくくるとともに、YENTOWN結成10周年となる祝祭の一曲で大団円を飾った。  コーチェラの後も、ツアーの合間を縫ってニューヨークでの海外公演も経験したAwich。彼女の言葉通り、多くの経験を学んだであろう充実のツアーが幕を閉じた。驚異的なスピードとバイタリティで次々と新しい景色を見せてくれるAwichだが、有言実行たる彼女の姿から、さらに勇気をもらった一夜となった。