亀の剥製とは

昔から「鶴は千年亀は万年」と言って鶴と亀は長生きの象徴とされ、亀を防腐処理して磨き上げた鑑賞品は、家の新築の祝い品としてとても人気がありました。

長生きの象徴

鶴は千年亀は万年と言われていますが、実際は鶴は千年も生きることはありませんし、亀も一万年も生きるようなことは絶対にありません。

実際には鶴の寿命は野生の鶴で20~30年程度で、動物園で飼育されている鶴なら最長で80年程度だそうです。

亀の寿命は30~50年程度で最長で100年程度だそうです。

しかしながら一般的な動物と比較すれば鶴と亀は共に長生きであることに間違いはありません。

鶴は千年亀は万年の由来

中国前漢時代の思想書である「淮南子」(えなんじ)の「説林訓」(せつりんくん)に見られ、鶴と亀は仙人に仕える生き物として「鶴歳千歳、亀歳三千歳」と記載されていたことによります。

中国では人間の究極の幸福が不老長寿であるとされ、老化しない事と何時までも生きるための技を身に付けた仙人は欲望もなく霞(かすみ)を食べて自由に空を飛び回るので、神として崇められ、古くから神仙思想(しんせんしそう)と言われて、我が国には天狗として修験道にも影響を与えているのです。

記念品として

昔から縁起が良いと言われる亀の中でも大きなサイズのウミガメは剥製として作られることが多く、見栄えも良いことから、昭和の時代頃までは家の新築祝いとして購入したり、贈られるようなことがよくありました。

当時はどの家にも動物の剥製動物の毛皮が普通にある時代で、特に高値で取引される珍しい動物の剥製を持っていることは自慢の種になることでしたから、皆が競って購入していた時代なのです。