「頼まれてもすぐに忘れてしまう」
「同時に物事を行うのが苦手」
実は原因として
「ワーキングメモリ」の働きが弱い可能性があります
ワーキングメモリは記憶に関係する脳の機能になります
今回は原因と対策など物忘れや
事忘れに対しての対策を伝えていきます
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
ディーキャリア柏オフィスの責任者で社会福祉士の高野です
ディーキャリア柏オフィスは発達障害の特性に応じた
訓練プログラムを提供している就労移行支援事業所です
発達障害(注意欠如・多動性障害ADHD 自閉症スペクトラム障害ASD 限局性学習障害SLD)
精神障害のある方などが多く在籍されております
専門知識のあるスタッフで運営しています
凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸凹
目次
1.物事を忘れてしまうのはなぜ起こってしまうのか
2.記憶を司るワーキングメモリとは
3.ワーキングメモリの対策 3つの事
4.うまくいった実例と対策
1.物事を忘れてしまうのはなぜ起こってしまうのか
物忘れの原因は記憶力の問題ではありません
人には長期記憶と短期記憶の2種類があります
物忘れに関しては基本的には
短期記憶の問題になります
長期記憶は物事を繰り返し考える事をしたり
その物事を考えた時に今まで起きた事や
感情などの関連性が多ければ多いほど
記憶に残るとされています
「感動する」という言葉通り
感情が大きく動いたときなどに
脳内のネットワークが複雑に絡み合い
複数の関連する情報が多ければ、多いほど
深く記憶に刻まれることがあります
短期記憶は短い時間の中での記憶になりますが
どんな時に使うのかというと
誰かと雑談をしたり、突発的な仕事の依頼などがあった時に使います
短期記憶は「こころのメモ帳」(ワーキングメモリ)と呼ばれています
誰かと雑談をするときに
相手が言ったこと覚えておいて
相手が言ったことに対してあなたの反応を
言葉として作り上げて
文字を言葉に置き換えて相手に伝わるように
声で伝達します
そもそも会話というコミュニケーションは
文字で書くよりも
複雑な仕組みの中で成り立っており
ワーキングメモリ(短期記憶)が苦手な方にとっては
相手が言ったことを覚えておく必要がありますし
あなたが言ったことも覚えておく必要がありますし
それが1対1のコミュニケーションであれば
比較的行いやすくても
1対多数の人を相手に会話をする事は
ワーキングメモリを使わないと成り立ちません
記憶力の問題なのではなく
そもそも記憶に残さなくてもいいような
一次的に残しておく必要があるワーキングメモリが
「物忘れ」の頻度が高くなってしまう原因の一つとして
ワーキングメモリの容量が少なくなってしまうことがあります
2.短期記憶を司るワーキングメモリとは
「ワーキングメモリ」とはどんなことなのかというと
ワーキングメモリ(Working Memory)とは認知心理学において
情報を一時的に保ちながら操作するための構造や過程を指す構成概念である。
作業記憶、作動記憶とも呼ばれるワーキングメモリの構造や脳の関連部位を
調べる研究が多数行われている一般には、前頭皮質、頭頂皮質、前帯状皮質
および大脳基底核の一部がワーキングメモリに関与すると考えられている。ワーキングメモリの研究は、人間の行動実験や脳損傷事例
イメージング研究、サルによる行動実験やマウスを使った脳部位の切除実験など
幅広い分野の研究成果に基づいているただし、これらの研究の間でワーキングメモリという語の用法は
必ずしも一貫しておらず、情報の操作を伴わず
単に一時的に保持しているという短期記憶の意味で
用いられていることも少なくないワーキングメモリの研究は世界中で盛んに行われている。
ワーキングメモリに関する研究成果は、
自閉症[1]や注意欠陥多動障害(ADHD)への理解を深め、
指導方法を改善に導くのに有用であるとされている
また、人工知能研究にも応用されているフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』~引用~
「ワーキングメモリ」は
作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する能力
会話、計算、読み書き等
日常生活のいたるところでこの機能は使われています
仕事の面でも判断や行動に関わってくるため
機能が弱いと様々な困りごとが生じます
よくある問題として
ワーキングメモリのあるある事例は以下の通りです
1)情報を一時的に覚えて、処理することが苦手
例:指示を受けても、説明を聞きながら頭にとどめてメモを取るのが苦手
2)作業を中断して、始めることが苦手
例:伝票入力を行っている際に、電話対応を行う
入力作業をどこまで作業をしたのかわからなくなってしまう
3) 記憶の整理が苦手
例:日程やルールが変わってしまうと、どっちが正しいのかわからなくなってしまう
他にも記憶力に関わることで、いろいろな問題があったりします
まずは自身の特徴を理解することが解決への第一歩となります
3. ワーキングメモリの対策 3つの事
ワーキングメモリは脳の中の前頭前野の部分で
一時的かつ短期的にいくつかの情報を保持する
同時処理の働きと言えます
また作業記憶ともいいます
発達障害とは別に
基本的には年齢と共に記憶の機能は低下していくものです
ワーキングメモリを常に余裕のある状態にしておくことで
効率的に新しい情報処理ができるので
必要な情報の選択がしやすくなり
ワーキングメモリに負担を少なくすることが出来ます
対策として3つの方法を紹介します
・先送りにせずその場ですぐにやる
・メモを取って情報を可視化
・局部ではなく全体像をイメージし情報をつかむ
・先送りにせずその場ですぐにやる
言われたことや電話やメール
上司への報告なども
ワーキングメモリに負担をかけないように
すぐにできることはすぐにやってしまいましょう
・メモをとって情報を可視化
すぐに行動に移せなかったり対応できない事は
メモを取ることをしましょう
メモを取って視覚で確認できるように可視化し
優先順位を明確にしておくだけでも
ワーキングメモリに余裕を持たせることが出来ます
ポストイット(付箋)やすぐに確認できるスケジュール帳・スマートフォンなど
見返すことのしやすいツールを使いましょう
・局部ではなく全体像をイメージし情報をつかむ
行動に移すと時間がかかってしまったりする案件に関しては
情報を整理する事が複雑になります
可視化して図やイラストを使って
Aのタスク、Bのタスク、Cのタスクの内容を整理します
そのうえでそれぞれのタスクが誰からの依頼か、お客様とのやり取りはあるのか
期限はいつなどかを把握しましょう
目の前のタスクの事だけではなく
どのようにつながっているのかという事や
そもそもの目的は何なのかという事もわかるようにして可視化する事が大切です
4.うまくいった実例と対策 Cさんの場合
Cさんは広汎性発達障害と診断されていて
忘れ物やタスクの抜け漏れがありました
自身でも気を付けているのだけれど
なかなか具体的な対策や対応が出来なくて日々悩まれていました
ディーキャリアで行っていたこととしては
状況の確認をしていきました
どんな場面でタスクを忘れてしまうのか
タスク漏れがあるときとタスク漏れがない時の違いについて
タスク漏れの頻度は1日の中で何回あるのか
事実を確認していきました
頭の中だけで考えるだけだと
頭の中で連想ゲームがはじまってしまい
情報の整理整頓ができないので
Aの出来事に関してはどんなアクションをするのか
Bの出来事に関してはどんなアクションをするのか
Cの出来事に関してはどんなアクションをするのか
というように紙に書き出すことで
情報の整理整頓をしていきました
要するに考えることをしっかりと決めた上で
連想ゲームにならないように
それぞれの出来事別に考えや行動をまとめていきました
タスク漏れに関してどのような出来事が事実としてあったのかというと
おもにタスク漏れは午後の時間帯(13時~15時)に多い
単純なルーティーンワークの時には
タスク漏れは起きることはないけれど
複数の業務を抱えているときや
突発的な依頼があった時に
タスク漏れが発生してしまう事が多い
その2つの条件が整ってしまうと
特にタスクの漏れが発生してしまう
というような形でただ単に「タスク漏れ」という抽象的な事ではなく
「タスク漏れ」になってしまう事実を確認する事で
対策が分かりやすくなっていきます
問題点を具体的にしていくことで
解決策も具体的になり
アクションプランとして何に取り組んでいけばいいのかが明確になります
「タスク漏れ」という事を起こさないために
Cさんが取り組んだこととしては2つになります
午後の就業がはじまった場面では
特に事務作業の場合は座っていることも多く眠くなりやすいです
同じ時間帯にミスをしてしまいやすいことが分かっているので
コーヒーを飲んで覚醒レベルを上げて
「タスク漏れ」を防ぐことにしました
またタスクが重なってしまうと
忘れてしまったり抜けてしまうという事が
事実としてわかったので
タスクが重なっているときに
上司からの依頼があった場合は
一旦、自身の状況を確認したうえで
引き受けるかどうかを決めることにしました
タスクが多ければ多いほど
混乱してしまったり、抜け漏れが出てしまうので
その状態を作らないようにしました
相手に合わせすぎて無理をして
ミスをして相手に迷惑をかけるのであれば
上司の依頼であっても「やらない」という選択をすることで
自分自身にも相手にもよりよい選択肢を選ぶ事
こういった形で自分自身の自己中心的な選択ではなく
相手にも理解してもらえるための伝え方など
いろいろな方法を使いながら
自身の働きやすい環境を整えていきました
これによりCさんは今でも長く働くことが出来て
今では正社員として活躍をされています
こういった形で文字にして書くと端的にはなってしまいますが
最終的な形として上に書いてある対策をされて
Cさんにとっての最適化をされています
もちろん途中経過ではうまくいかない事や
ストレスがたまってしまう事もあったとおっしゃっていました
ただ今考えてみても具体的な対策を
ディーキャリアで見つけることが出来て
本当に良かったとおっしゃっています
まずは自身の特徴を理解することが解決への第一歩となりますので
一度専門機関でご相談してみてはいかがでしょうか
ディーキャリア柏オフィス(就労移行支援事業所)では
そういった特性に対しての認識や
対策や予防策をしっかりと明確にした上で
長期就労に結びつくための訓練を通じて
新しい世界観や価値観を学ぶ場所になります
ディーキャリア柏オフィスで取り組めること
実際の職場の環境に近い状態で
合理的配慮の視点でも特性検証の視点でも
訓練を実施して長期就労をめざすことができます
あなた自身の働きたいを実現するために
効果のある方法や対策などを実施する事ができます
3つのコースを通じてそれぞれの特性に合う方法を伝えています