-2022年を振り返って。

 慌ただしい1年でした。沖縄の本土復帰50周年で交流が活発になり、あっという間に過ぎていきました。観光業界はコロナ前の水準に戻るいきおいで回復しています。

 -百名伽藍が昨年も「2022ワールドラグジュアリーアワード」を9年連続で受賞しました。

 ありがたいことに今年も受賞できました。今後もお客さまを大事にしていきたいと思っています。

 百名伽藍では8月に国外のVIPにご宿泊いただき、スタッフ一同で協力しておもてなしできたことが心に残る経験となりました。お客さまは体調が優れず、外出はできませんでしたが、釣り好きだということをスタッフが聞きつけ、折り紙で魚を折ってプレゼントするなど、心を込めて対応してくれました。このような気遣いができることを目指してまいりましたので、大変うれしく思いました。今後も人材育成に力を入れていきたいです。

 -外食事業、海外貿易事業、FC事業など幅広く事業展開しています。

 昨年は特に貿易事業が伸びました。30年前にレシピを考案した「ワンダおばさんのチーズケーキ」は台湾やシンガポール、上海に輸出しており、前年比4倍で売り上げが推移しています。また、昨年5月にスカイツリーの真下に位置する商業施設「東京ソラマチ」で沖縄料理店「波照間」がオープンしました。素晴らしい立地で店を構えることができ、お客さんからの反応も上々です。東京でも本格的な沖縄料理を楽しんでいただきたいです。

 貿易事業や飲食事業のように、外のマーケットから利益を沖縄に還元できるような仕組み作りをしていきたい。このような事業構造の転換が「稼ぐ力」につながってくると考えます。

 -経済同友会の代表幹事も担っています。県経済の課題や展望は。

 コロナ禍が総括できていないのが課題です。県と一緒に、危機管理対応への対策や今後の復興策を示していきたい。また、観光業はインバウンドやクルーズ船再開などもあり、回復傾向が続くと思われますが、世界的なエネルギー問題、物価高騰・原材料高騰、為替の変動は沖縄経済にも大きな影響を与えます。消費者動向を注意深くみていく必要があります。

 2月には、江戸・明治時代に日本海や瀬戸内海の交易を担った「北前船」ゆかりの地が交流する「第32回北前船寄港地フォーラム」が沖縄で開催されます。沖縄は北前船の寄港地ではありませんが、江戸時代後期に北海道で収穫された昆布が薩摩から琉球を経て中国に届けられた歴史があります。日本復帰50周年の記念事業として、琉球王国時代にアジア諸国との交易や交流で繁栄してきた歴史を振り返ろうと開催が決まりました。沖縄がアジアのハブになっていたことを示し、それは今後も沖縄の発展の方向だと思っています。全国に沖縄の文化を発信できる重要なイベントです。地域間の交流も深めていきたいですね。