“沖縄”の名が登場する現存最古の文献は『唐大和上東征伝』(779年成立)です。「阿児奈波」と記されているのが沖縄本島のことだと考えられています。『日本書紀』(720年成立)などには「南嶋」や「掖玖」「多祢」「信覚」「球美」などの島名もみられます。『隋書』(656年成立)では「流求」についての記述がありますが、台湾のことではないかともいわれています。今回は、そうした古代の文献を中心に東アジアにおける沖縄の意義を探ります。さらに、DNA分析や各国の考古学資料の解析によって人類共通の神話を探るという最新の世界比較神話学の成果を踏まえつつ、『おもろさうし』や『中山世鑑』にみえる神話と『古事記』『日本書紀』や『万葉集』にみえる神話についても比較検討します。