闘牛王国と呼ばれるうるま市。
沖縄一を決める大会には、県内の闘牛ファンが集まり、熱い声援をおくります。

沖縄県で「闘牛が最も盛んなまち」として知られているのが、うるま市です。「闘牛」と聞くと「スペイン」を思い浮かべるかたも少なくありませんが、日本における「闘牛」はスペインのように人と牛が闘うのではなく、闘うという本能を残した牛同士を闘わせる競技です。円形の闘牛場のなかで繰り広げられる、重量1トン以上もある牛と牛のぶつかり合い。まるで格闘技を観るような気分が味わえる、迫力の勝負です。沖縄では闘牛のことを「ウシオーラセー」と言い、大衆娯楽として親しまれています。

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闘牛の歴史

沖縄における闘牛の起源は定かではないが、
少なくとも明治後期には行われていたことが当時の新聞記事により確認されている。

闘牛熱のため製糖作業が遅延し、県が指導に乗り出した村落もあったとの記録が残っているほどである。戦争により中断の後、昭和22年に大会が再開され、以後スター牛を多数輩出し、一時はテレビ放送もなされるなど、幅広いファンを獲得することとなった。その後レジャーの多様化、都市化の進展に伴う闘牛場の整理等により、一時ほどの人気はなくなったが、現在でも沖縄本島中部地域のまつりの核として行われているなど伝統的な娯楽として定着している。

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闘牛の技

ワザの種類は基本的には次の5手。

腹取り以外は勝敗に直結することが少なく、 複合、 反復するこ とによって相手を疲れさせ、 動揺させ、敗走させることができる他に「かつぎ上げ」や「打ち倒し」などの大技がある。

押し
正面から渾身の力を込めて直線的に相手を押すこと。押しだけで勝負が決まることは希であり、体勢を崩した後続く腹取りでの決着が多い。

 

ワリ、ツキ
相手の眉間めがけて角を打ち込むこと。体重が乗った強烈な技が決まった場合は、かなりと威力となり、間をおかずに相手を敗走させることができる。

 

カケ
角を掛けて相手の首をまげること。もっともよくでる技であり、相手の首が90 度近くも回転し天井を向いたままになることもある。

 

腹取り
相手の隙を狙い横腹を一気に襲う技。この技を得意とするのは、敏捷で体全体にバネがあり瞬発力豊かなタイプで花形牛となることが多い。

 

持たせ込み
相手に体重をかける技。相手の押し込みや掛けを避けるため防御目的にやることが多い。

石川多目的ドーム(うるま市石川2298番地1)

平成19年5月に完成した『うるま市石川多目的ドーム』は県内初のドーム型闘牛場として知られており、沖縄県闘牛組合連合会が主催する県内最大規模の「全島闘牛大会」を含め年間約20回の闘牛大会が開催されています。
現在では、「闘牛とエイサーのコラボレーション」やうるま市の伝統芸能「龍神の宴」など闘牛以外のイベント会場として使用されております。

石川多目的ドームの写真1

石川多目的ドームの写真2

沖縄県で唯一のドーム型闘牛場
「うるま市石川多目的ドーム」

石川多目的ドームの写真3

安慶名闘牛場(うるま市安慶名1076)

安慶名中央公園内にある沖縄有数の大型闘牛場。かつては、沖縄県闘牛組合連合会が主催する全島闘牛大会会場にも使用されており、現在では、同市の石川地区に県内初のドーム型闘牛場「うるま市石川多目的ドーム」が完成したため、「安慶名闘牛場」での闘牛大会は、年間1~2回の開催となっています。

安慶名闘牛場1

安慶名闘牛場2

「安慶名闘牛場」

安慶名闘牛場3

久高 幸枝さん (闘牛写真家)

家族で牛を育てる闘牛一家に生まれたので、小さいころから牛の世話をやっていました。写真が好きな父の影響だと思うのですが、自分の牛のデビュー戦を自分で撮りたいと言ったら、父がカメラを買ってくれたんです。撮った写真は父が現像に出してプリントしてくれました。仕上がった写真を見ると、父が撮ったものと違う。何が良くなかったのか父に聞いて、撮り方を覚え、そのうち他の人からも撮影を頼まれるようになりました。
 最近は闘牛を観戦する女性も増えています。本気で闘っている姿がかっこいいと、みなさんおっしゃいますね。写真を通して、恰好よさだけでなく、牛の優しさ、人と牛との触れ合いといった、闘牛場では見られない部分も紹介していきたいと思います。

闘牛をもっと身近に

伊波 大志さん (闘牛実況アナウンサー)

闘牛のラジオ番組をきっかけに闘牛組合連合会の依頼で試合の実況をやることになりました。実況のリハーサルは出来ませんから、前もって戦歴、特徴、得意技など牛についての基本情報を準備し、試合の時には牛の紹介や技についての解説をまじえて実況しています。
「ワイド―」は闘牛にかかわるヒーローをつくりたいなと思って漫画家志望の後輩に描いてもらったデザインをもとに衣装を作りました。子どもたちがよく声を掛けてくれるので、自腹をきった甲斐はあったなと思っています。 うるま市の商工会では、闘牛の試合以外にも今後、闘牛に関する様々な企画を検討しています。ご期待下さい。

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