話し相手に、自分が意図しない形で話が伝わってしまい不快な思いをさせてしまう。
自分の言いたいことがうまく伝わらず、相手のリアクションが期待通りに出てこない。
そんな、じれったくて困った経験は誰にでもあると思います。
自分の言いたいことが上手く伝わらないとき、その原因を相手に求めてしまいがちになるものです。
話しが伝わらないのは相手に理解力がないからだ、などと相手のせいにしてしまうことが往々にしてあるかもしれません。
ですが、実際は相手に問題があるというよりも、自分自身の方に原因がある場合がほとんどだと言ってもよいのです。
では、どうしたら「相手にちゃんと伝わるコミュニケーション」ができるようになるものでしょうか。
自分本位な話し方の改善方法には基本的なことがあります。先ずは相手の立場になって考えてみる、ということです。
人は、とにかく自分の知っていることや自分の話したいことを伝えよう、伝えようとしてしまうものです。
ただ、それは必ずしも相手が聞きたいことではありません。そして、コミュニケーションはどう伝わったか、が全てです。
具体的には、先ずは自分の伝えたいことを明確にしましょう。ただ、このままで終ると自分本位な話しの内容になってしまいます。
そこで、次に自分が言おうとしていることを相手が聞いたとしたら、どのようなことが頭に浮かびそうかを考え、それを問いの形で表現します。
最後に自分の視点に戻して、相手の立場頭に浮かんだ浮かんだ問いの答えを考えるのです。
自分の頭の中で自分と相手を想像して、一人二役での会話のキャッチボールを複数回繰り返すようなイメージです。
実際には、一つの発言に対しても、相手の視点から複数の問いが浮ぶことが考えられます。また、何が相手の頭の中に浮かぶのかは本当に分からない状況でもあります。
しかし、この手順を複数回踏み込むだけでも、少なくとも自分本位なメッセージを相手に寄り添ったメッセージに返還することはできるのです。
ちょっと面倒かもしれませんが、こうした努力の積み重ねが、相手に寄り添うことのできるコミュニケーションを身に付ける近道なのです。
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相手に求めるリアクションを得るための方法論と言うものも存在します。
自分の得たいリアクションが相手からもらえないと言う人は、そもそも自分が相手に何を求めているのか、伝えることの「目的」がしっかり理解できていない場合が往々にしてあるものです。
特にビジネスにおける主な目的は、「共有」、「判断・承認」、「意見・アドバイス」、「協力」の四つを明確に理解してもらうことが必要です。
先ず、「共有」です。これは相手に必ず分かっておいてほしいというもので、相手に何かを求めている訳ではありません。伝えたい内容を「分かりやすく、簡潔に伝える」用意識しましょう。
二つ目の「判断・承認」は伝えようとする対してYESかNOかの判断、若しくは承認を得るというものです。
ただ、相手が判断や承認をするために必要な情報を併せて準備し、必要に応じてそれを伝えることが重要です。
内容だけではなく、判断や承認のために必要な情報が、的確に準備できているかどうかがポイントになってきます。
三つ目は「意見・アドバイス」。伝える内容に対して、相手から何らかのフィードバックをもらいたい、というものです。
この場合、ただ漠然と意見・アドバイスをください、と伝えるのではなく、自分が特に「何について」悩んでいるのか、若しくは「どんな観点」で意見・アドバイスが欲しいのかを、これも明確に伝えることが大切です。
最後は「協力」です。「協力」は相手に何らかのアクションを求めるものであり、先ずは内容を分かりやすく伝えて理解をもらうことが最低限必要です。
その上で、相手に具体的に、どんなアクションを求めているのかを伝えることが重要となります。
以上のように、伝える目的が、共有なのか、判断・承認なのか、意見・アドバイスなのか、協力なのかによって、伝える際に気を付けるべきことが違ってきます。
何のために伝える必要があるのか、その目的を今一度はっきりさせることから始めようではありませんか。
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相手の立場に立って自分の伝えたいことを明確にする。相手に何を求めているかも明確にする。
当たり前の事かもしれませんが、この基本的な方法が頭の中では理解していても、実際にできているとは限りません。
相手と話していて、どうも相手が分かっていそうにない、期待するリアクション返ってこないと感じたら、この基本のプロセスをいま一度確認することで「伝わり方」がぐんと変わってきます。
そして、このプロセスが無意識的にできるようになったら、次は情報の視覚化を進めましょう。
それによって、情報量と伝わるパワーは格段に上るものです。
言葉のみでのコミュニケーション力が、格段にパワーアップできるということです。
一緒に挑戦して行きましょう!