仕事をする上で、コミュニケーションは必要
不可欠なのは言うまでもありません。
大半の仕事は一人で完結できるものではあり
ませんし、人と関わるサービス業は増加する
ばかりです。
今のビジネスシーンではコミュニケーション
の重要性がますます高まっています。
その高まりに比例するように、コミュニケー
ションミスも増加しています。
コミュニケーションミスは「正確に伝える」
「正確に聞く」といった心構えレベルで改善
できるものではありません。
実はきちんと伝えてもその通りに伝わらない
し、きちんと聞いても正確には聞けないもの
なのです。
これは、実は脳科学や認知科学が明らかに
してきた事実なのです。
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あなたは「コミュニケーションは言葉のキャ
ッチボールだ」と思っていませんか?
よくコミュニケーション研修などで聞く例え
ですが、実はコミュニケーションは、言葉の
キャッチボールなどではありません。
では、コミュニケーションの本質とはどのよ
うなものなのでしょうか。
コミュニケーションではやり取りされる言葉
(=ボール)に注意が向きがちですが、重要
なのは言葉の裏にある相手の「記憶」です。
それこそがコミュニケーションで伝えようと
していることであり、伝わっている本質でも
あるのです。
例えば、「昨日、福岡の天神で友人と食事し
た」と誰かに話すとしましょう。しかし昨日
といっても時間帯がわからない。
天神といっても天神のどこなのか、そもそも
お店か自宅かも省略されています。全てを葉
にしていては会話が成立しないからです。
相手が話した記憶と、聞き手が連想した記憶
はもちろん異なりますし蓄積してきた記憶が
違う訳ですから、結果が違って当然です。
聞き手としては、省略されている部分を想像
で補完し、解釈を加えて理解(したつもり)
となってしまいます。
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職場でのコミュニケーションミスは、双方の
経験や知識が格差によっても起こりやすくな
ります。
というのも、相手の言葉を聞くことによって
引き出される記憶が、知識や経験があるベテ
ランほど多くなるからなのです。
ベテランは相手の省略された言葉に豊富な経
験と知識によって得た記憶が増幅され、後輩
のことを「わかったつもり」になりがちです。
逆に記憶のストックが少ない新人は相手の話
のキーワードが自分の記憶に結びつきにくく
省略された部分を補完することが出来ない。
ですから上司や先輩は、このコミュニケーシ
ョンのギャップを埋めるべく新人にことさら
丁寧に説明しなくてはいけないのですね。
また、仕事でのコミュニケーションミスというと、
情報の伝達ミスが非常に多いのではないで
しょうか。
簡単な内容と量の情報であれば、情報を省略
せず、間違えそうな箇所を強調するなどすれ
ば、ほぼ間違いなく伝わります。
それが複雑な仕事の手順など、情報量が多く
相手の理解力が必要な情報は、いくら丁寧に
説明しても正確に伝わるかわかりません。
そこで効果的なのが相手に話した内容を復唱
してもらうことです。曖昧な理解だと論理展
開が組めず、説明がアヤフヤになるのです。
復唱することによって、自分がどこまで理解
して、どこから理解していないのかを認識す
ることができるのです。
復唱したことによって記憶を定着させやすく
する効果もあるのです。
仕事の現場で、後輩や新人に何かを指導して
それが正確に伝わっているかどうかを確認す
るのならば、復唱してもらうことが確実です。
ビジネスの場では、カン違いや勝手な思い込
みが、思わぬ信用問題や多大な損害に繋がる
危険性をはらんでいるものです。
ビジネスの場では、常により慎重で確実なコ
ミュニケーションを意識しておきましょう。


