新入社員も、半年を過ぎると新しい環境にも慣れ
、人間関係の緊張感からも解放されてきます。
緊張感が解けて自然体になっていくのは望ましい
傾向ですが、ビジネスマナーとは別に、他人との
会話で特に注意すべき話し方、言葉があります。
先ず、他人との会話において、「相手」を主語に
するか、「自分」を主語に置くかで、相手への伝
わり方が大きく変わってしまうことがあります。
例えば、友人と待ち合せをしていて、自分の方が
遅れてしまった時、申し訳なさから、「待たなく
ても良かったのに」と言ったとします。
日本語は主語を省略しますが、この場合の主語は
「あなた=相手」です。「あなたは待たなくても
良かったのに」が正確な内容です。
このメッセージは、「あなたが待っていなかった
ら私は困らなかった」「あなたが待っていたから
私は後ろめたい気持ちだ」とも理解されます。
言われた方は、善意で待っていたことを非難され
ているような気持になります。待たされた挙句に
さらにダメージ負うことになるのです。
言われた相手に対して、不快感を抱いてしまうの
は仕方が無いことでしょう。
このように、「あなた」を主語にすると、相手は
責められている感じを強く持ってしまうのです。
要は、「あなたが○○しなさい」と言われること
によって」追いつめられる気持ちとなって、心情
的に受け入れにくい状態になってしまうのです。
反対に、自分を主語にした言い方の場合はどうで
しょうか。
例えば何かの役職決めで、「次はあなたがやって
ください」と言われるのと、「次はあなたにやっ
てもらいたいと思っています」と言われること。
前者は「あなた」が主語で、後者は「私」が主語
です。おそらく後者の方が心情的に受取りやすい
かと思います。
何かを他人に依頼するときには、「(あなたが)
やっておいて」ではありません。
「(私は)お願いをしたい」と伝えると、相手は
そのメッセージを受け取り易くなるのです。
「あなた」を主語にしたメッセージを多用してい
なかったか、ここで振り返ることをお勧めします。
*
また、相手を追いつめてしまう、「なぜ○○しな
いの?」という言葉があります。
問題解決志向が強かったり、アドバイスする傾向
の強い人は、「なぜ」という言葉を多用します。
実は、「なぜ」は非常に危険な言葉で、注意しな
ければならない投げかけの言葉なのです。
会議報告などで、原因を追求するときには、この
「なぜ」は必要です。しかし、気持ちに関連する
と相手を追い詰める危険な言葉になります。
人は、頭で解ってはいても、どうにもならないと
いうことが多々あるものです。
要は理性では理解していても、気持ちが動かない
という、心理学でいう、不一致という状態です。
多くの悩みや葛藤はこの不一致で起こるのです。
このような状態に陥っている時に、「なぜ?」と
問われても、言われる方は追いつめられるばかり
で答えなど出せないのです。
相手の意向や気持ちを知りたい心情は解りますが、
不一致状態の相手に「なぜ」を投げかけることは
なお一層、相手との心の距離が離れてしまいます。
もう一つ、「せっかく」というフレーズにも注意
が必要です。
親しくなったからこそ、使ってしまいがちな言葉
なのですが、これも安易に使うことには気をつけ
たいものです。
「せっかく」には、親切心の押し売りや、「私の
気持ちを無下にしないで」という強迫ともとれる
負荷が働くのです。
この「せっかく」を連発されると反発の気持ちが
強くなるし、嫌がられることに繋がるのです。
*
これまでに挙げた3つの言葉を組み合わせた最悪
パターンの言い方はこうです。
「せっかく教えてあげたのに、(あなたは)なぜ
やらないのか?」
こんな言い方をされると不快極まりなく、関係性
が悪くはなっても良い方向にいくことはまずあり
ません。
相手との関係悪化を防いでいくため、この3つの
言葉の多用をできるだけ避け、より良い人間関係
を育んでまいりましょう。


