周囲とのコミュニケーションが上手く取れない。
人間関係に強いストレスを感じてしまう。
人間関係力が弱っている状態で「頼むこと」は、
非常にハードルが高いものとなってしまいます。
けれど、仕事の多くは、人に何かを依頼すること
から始まるのです。
どれほど立派な企画でも、協力者がいなければ
実現は難しいものとなるでしょう。
だとすれば、如何に相手に「喜んで引き受ける」
と思ってもらえる頼み方をするか、なのです。
これは、新社会人にとっても必須のコミュニケー
ションなのです。
大前提となるのは熱意や誠意といった、「情」を
見せることです。
自分はその仕事のためにどれほどエネルギー
を注いできたか、何故人の協力が必要なのか
を文書や口頭で伝える必要があります。
例えば、いきなり「この書類を書庫に運んで」と
頼んだとしたら、相手は「自分で運べば」と思う
だけでしょう。
でも、「10個の内8個は運んだ、あと1回で運
び終えるので、一緒に1個ずつ運んでくれない
か」と頼めば相手も無下にはできないはずです。
単純に自分が楽または得をしたいための依頼
なら、相手は自分本位でしか反応してくれません。
しかし、第三者や公共のためだったり、努力して
いる様子が伺えるのであれば、多少無理してでも
支援しようと思います。
それが世の常であるし、人に何らかを頼む際には、
先ずこの点を自問する必要があります。
その上で、「依頼」に欠かせないポイントがあり
ます。
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第一は「仕事の全体像」を示し、理解を得ること
です。最終的に何が出来るのか、それが社会的に
どんな恩恵や影響をもたらすのかを伝えましょう。
その上で、「ついてはこの部分を」という依頼を
掛ける。
そうすると、相手も役割をイメージし易く、やり
がいも感じてくれます。そして意気に感じて引き
受けてくれる可能性も非常に大きくなる。
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第二は「時間が無い」という切迫感と、「あなた
しかいない」という専門性です。
特に忙しい人に依頼する場合は、これらの要素が
欠けていると断られる理由になりやすいものです。
「どうしてもこの日までに必要だ」と明言をする
ことで、相手も検討し易くなります。
切迫感をアピールすることで、相手によっては、
「そんなに困っているなら何とか力になろう」と
仏心を起こしてくれる可能性もあります。
日々の仕事が、案外このような「情」で成り立っ
ていることは誰もが体感していると思います。
同時に、「何故あなたなのか」を説明することも
不可欠です。
実績や評判などから「あなたじゃないと」を強調
する礼儀でもあります。
多少の誇張やお世辞を盛り込んでも相手をその
気にさせましょう。
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第三は返事をイエスかノーに限定しない事です。
相手が日本人であれば、曖昧さを残した問いか
けの方が答え易いはずなのです。
10の仕事のうち、4であれば可能かもしれない。
そこから更に、落としどころを探るコミュニケー
ションが深まって行くことにも繋がります。
脈がありそうなら、複数の依頼案件を用意して、
警戒心や負担を軽減する言葉でお願いしましょう。
「ちょっとでもお願いできませんか」「どちらか
といえばAですか、Bですか」などです。
以上のようにお互いの考えや熱量が伝わる展開
となれば、「情」も移りやすくまります。
「この人の頼みなら一肌脱いでやろう」と思って
もらえるとしたら、それは最強の依頼術なのです。


